2001 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ選手の減量が免疫を中心とする生体応答に及ぼす影響とその男女差に関する研究
Project/Area Number |
11470092
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
梅田 孝 弘前大学, 医学部, 助手 (50311535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
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Keywords | 減量 / 生体負担 / 体力 / 免疫機能 / 好中球活性酸素種産生能 / 精神的負担 |
Research Abstract |
本研究は,柔道男女選手を対象に減量による生体への負担を身体計測,体力測定,血液生化学および免疫学的検査,心理学的検査により詳細かつ総合的に調査し,選手が健康を維持しながら減量を実施していくための至適な減量重量等を導き出すことを目的とした調査である。本年度は,主にこれまでの調査結果を詳細に分析し,これをまとめる作業を行った。その結果,運動および栄養摂取制限に伴う急激な減量が,減量終了時点で筋組織の減少や機能の低下,電解質の減少,腎機能低下,免疫機能の低下等をもたらす可能性が男女ともに存在する可能性が示唆された。また,特に減量が減量終了後の回復期においても,減量中にみられた筋機能や免疫機能低下の回復の遅延をもたらす可能性も示唆された。また,これらの負担は,減量重量,すなわち食事制限が厳しくなるほど大きくなることが示唆された。さらに,減量実施における男女の負担の違いは精神的負担に顕著に現れ,男子では減量開始とともに次第に精神的負担や疲労感を感じるのに対して,女子では減量そのものを行うことに対する負担を感じ,減量開始時点で精神的負担が生じる傾向がみられ,減量実施に対する精神的負担が男女の心理特性に影響を受ける可能性が示唆された。 以上より,柔道選手によって実施される急激な減量は,できる限り食事制限を伴わず行われることが望ましいと考えられた。また,柔道選手の減量期間中の健康管理を行う場合,男女の身体的,精神的特性を考慮していく必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kowatari K et al.: "Exercise training and energy restriction decrease neutrophil phagocytic activity in judoists"Med. Sci. Sports Exer.. 33・4. 519-524 (2001)
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[Publications] 田辺勝 他: "女子柔道選手の減量が身体的コンディションに及ぼす影響について-身体組成値,栄養摂取状況,血液生化学検査による検討-"体力・栄養・免疫学雑誌. 11・1. 23-30 (2001)
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[Publications] 片桐朝美: "柔道選手の試合に向けた練習による免疫グロブリンへの影響"体力・栄養・免疫学雑誌. 11・2. 53-58 (2001)