2001 Fiscal Year Annual Research Report
核内転写調節を介したプラスチック可塑剤の内分泌攪乱作用の機構および安全性の研究
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11470095
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10020794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一敏 長野県衛生公害研究所, 主任研究員
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Keywords | フタル酸ジ2-エチルヘキシル / Peroxisome proliferator activated receptor α / フタル酸ジn-ブチル / フタル酸ブチルベンジル / 陰膳 / 食事 / 内分泌撹乱作用 / 1日の摂取量 |
Research Abstract |
フタル酸エステル類は代表的なプラスチック可塑剤で、内分泌撹乱剤の可能性が指摘されている。しかしその信憑性・機構の解明はなされていない。この物質はPeroxisome proliferator activated receptor(PPAR)αの強力なリガンドである。この研究では、フタル酸ジ2-エチルヘキシル(DEHP)はマウスの繁殖を低下させ(胎仔の吸収と新生仔の死亡率の増加)、この作用がPPARα依存性であること、DEHP以外のフタル酸エステル類も脂溶性の大きいフタル酸エステルはPPARαを誘導し、この受容体を介した様々な毒性影響が想定されることを明らかにした。今年度の研究では、16名の陰膳(食事および嗜好品等)試料について6種のフタル酸エステル類の濃度を測定し、1日当たりの摂取量の推定を行なった。調査項目のうち、フタル酸ジエチル、フタル酸ジn-プロピルは検出されなかった。DEHPは全試料から検出され、濃度レベルは30〜370μg/kg、平均で124μg/kgであった。フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ブチルベンジルはそれぞれ16試料中9および10試料から検出され、濃度レベルは6.2〜24μg/kg、1.1〜5.9μg/kgであった。食事等の1日の摂取量と濃度から、フタル酸エステル類の1日の摂取量を計算すると、DEHPは70〜1200μg/日(1日平均320μg)となった。フタル酸ジn-ブチルは検出限界以下から42μg/日、フタル酸ブチルベンジルは検出限界以下から13μg/日であった。DEHPの結果は高橋らの報告値(54〜580μg/日、平均210μg/日)と比べるとやや高い価であった。
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[Publications] 中島 民江, 畑 由紀子, 山ノ下 理, 青山 俊文: "PPARαと環境ホルモンの作用機構"内分泌・糖尿病科. 13・2. 149-153 (2001)
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[Publications] 那須 民江: "フタル酸エステル類によるヒトの健康障害"日本医師会雑誌. 127・2. 211-215 (2002)