2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470099
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
相澤 好治 北里大学, 医学部, 教授 (10124926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 誠 東京電機大学, 工学部, 教授 (60057205)
新津谷 真人 北里大学, 医学部, 講師 (10245417)
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Keywords | 磁界測定 / 新素材 / 石綿代替物質 / チタニウムオキサイドウイスカ / シリコンカーバイドウイスカ |
Research Abstract |
石綿の健康障害性が明らかになり、現在各種代替品が使用されている。これら代替品の健康影響も危倶されるところであり、障害性を評価するスクリーニング法の確立が望まれている。そこで石綿代替物質の内、Silicon carbide whisker(SiC)並びにTitanium dioxide whisker(TiO2)の2種類について、我々独自の方法であるFluxgate磁束計を用いた磁界測定により、軽微な細胞障害を評価する試みを行っている。同時に、LDH活性値測定、形態学的観察、アポトーシスの観察も行い検討している。今年度はさらに、TiO2繊維の形状の違いによる毒性影響や量影響関係に関しても検討を行った。 その結果、前年にも述べたように、2種類の代替物質SiCとTiO2は、共にコントロール群に比較して量影響的に磁界緩和曲線は遅延し、緩和係数も低値を示した。障害細胞から逸脱するLDHの酵素活性値に関しても量依存的にLDH放出率が高くなる結果が得られている。また、形態学的にも細胞質内に多発性の空胞が出現し、核の変形・核クロマチンの凝集も観察され、その出現頻度もコントロール群に比較して多いことが認められている。さらに、TUNEL法及びDNA ladder法によるアポトーシスの観察においても、SiCでは若干ながらアポトーシスの誘発が認められた。 TiO2の形状の違いによる毒性を評価した論文は未だ無く、今回我々は、磁界測定・LDH活性値測定・形態学的観察などから検討した結果、繊維状では、粒子状より明確に量影響関係が認められ、形状の違いによる細胞毒性が存在することが示唆された。 今後は、小動物の気管支肺胞洗浄により得られた肺胞マクロファージを用いた場合、洗浄法などにより細胞数、培養条件が変動する事から、実験精度をより向上させるため継代培養細胞を使用することも検討しており、代替物質の量影響関係や細胞毒性の機序、磁界緩和の機序などさらに検討を重ねる。磁界測定に関して、緩和の機序を視覚的に観察するため、ビデオ増感顕微鏡により貪嘱された磁性粒子を外部磁化および中止後の細胞内運動の観察も検討する。また、この2種類以外の石綿代替物質についての毒性評価も行う予定である。
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