2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の前痴呆状態とADL低下・抑鬱に対する地域サポートネットワークの予防的役割-大都市・過疎地・農村地域における高齢者コホートの追跡的研究
Project/Area Number |
11470102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 玲子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80112449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 文宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90187154)
森若 文雄 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30142722)
笹谷 春美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00113564)
前澤 政次 北海道大学, 医学部・附属病院, 教授 (90124916)
小橋 元 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60270782)
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Keywords | 高齢者 / ソーシャルサポート / ネットワーク / 抑うつ / ライフイベント / Zungスケール(SDS) / リスク要因 / コホート研究 |
Research Abstract |
[目的]高齢者の社会的サポートやネットワークと死亡及び機能予後(自立、在宅で要介護、長期入院、施設入所)の関連については十分検討されていない。我々は北海道の3地域で長期間縦断研究の形で追跡している。今回は農村地域で6年間追跡した結果を報告する。 [方法]北海道T町に在住する69才〜81才の男女全員を対象に1992年、1995年に健康状態と社会的サポート・ネットワークに関する調査を行った。質問票で、基本的属性、社会的サポート・ネットワーク(別居子、友人・親戚、近隣との交流、介護、情緒サポートなど)、ADL LADLなどを調べ、659人について、その後1998年までの6年間の死亡、施設入所、ADL、抑うつスコアーなどを追跡した。初回調査時をベースラインとして生命予後と機能予後(在宅で要介護、長期入院、施設入所の合計)と社会的サポートやネットワークとの関連についてCox比例ハザードモデルを用いて解析した。 [結果]「受けられる情緒サポートの少なさ」、「団体活動が少ないまたは参加していない」が年齢、慢性疾患の有無、喫煙などを調整しても男性で早期死亡と有意に関連していた。女性ではこの関係は見られなかった。一方、機能予後については男女ともに「配偶者」「団体活動への参加」が有意、男性ではさらに「友人の数」、「受けられる情緒的サポートの数」が有意に関連していた。さらに本研究では、高齢者の抑うつに及ぼすストレスフル・ライフイベントの影響とサポートネットワークの役割について調べた。北海道の鷹栖町において,1992年および1995年に69歳〜81歳(1992年時)の高齢者全数769名を対象とし,質問票による調査を実施した.ライフイベントの経験数は男女とも有意であり,多く経験されるほどSDS得点は高かった.そのほか,男性では配偶者が病気または死別していること,自身の健康状態が良くないことによりSDS得点が高い傾向が有意であった.男性ではネットワークおよびサポートに関する要因は有意ではなかった.一方,女性では親しい友人・親戚がいない,サポートを提供していない,身体的健康状態が良くない,IADLが低下していることによりSDS得点が高い傾向が有意であった.
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[Publications] 岸玲子,築島恵理,江口照子,片倉洋子,前田信雄: "高齢者の社会的サポートネットワークが生命予後と機能予後に及ぼす影響-農村における長期横断研究"第11回日本疫学学会学術総会講演集. 11(1). 118 (2001)
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[Publications] 増地あゆみ,岸玲子 他: "高齢者の抑うつに及ぼすストレスフル・ライフイベントの影響とソーシャルサポートネットワークの役割"第10回日本疫学学会学術総会講演集. 10(1). 80 (2000)