2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470117
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, ウイルス課長 (30112064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正恵 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10201328)
加瀬 哲男 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10175276)
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Keywords | インフルエンザ / DNAワクチン / ヘマグルチニン / 中和エピトープ |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスのHA蛋白は構造的に頭部と幹部に分かれるが、我々は以前に幹部に共通中和エピトープの存在することを証明した。このエピトープを利用するために、幹部だけをコードするヘッドレスHAのcDNAを構築し、これを広域反応性のDNAワクチンとして活用することを考えた。 昨年度までは、HA遺伝子を発現させるベクターにpEF-BOSを用いていたが、マウスに有効な免疫を賦与できなかった。そこで今年度は、高発現ベクターのpNOW-GKTに変更してDNAワクチンを作製し、マウスに免疫して抗体価の測定とチャレンジテストによりこのワクチンの有効性を検討した。 フルサイズのHA、あるいはヘッドレスHAをコードするcDNAをベクターに挿入し、遺伝子銃を用いて3週間隔で2回マウスに免疫した。2回目の免疫から2週後にマウス肺に強い親和性を示すA/FM/1/47(H1N1)をマウスの鼻腔内に接種してチャレンジテストを行った。ベクターだけを接種したマウスは著明に体重減少し、半数のマウスが死亡した。一方、フルサイズのHAを免疫したマウスはすべて体重減少を示すことなく生存した。ヘッドレスHAを免疫したマウスの20%は死亡したが、生存したマウスは体重減少を起こさなかった。経時的にマウスより採血し、血清抗体価をELISAと中和試験で調べた。フルサイズのHAを免疫したマウスは有意な抗体上昇を示したが、ヘッドレスHAを免疫したマウスは抗体価の上昇を認めなかった。以上の結果より、ヘッドレスHAを免疫したマウスがコントロールのマウスよりも生存率が高かったのは、液性抗体よりも細胞性免疫が働いているためだと推測された。今後は、ヘッドレスHAの免疫方法を変え、抗体価の測定だけでなく細胞性免疫も調べてヘッドレスHAのDNAワクチンとしての有用性を検討したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Nakagawa: "Antigenic variants with amino acid deletions clarify a neutralizing epitope specific for influenza B virus Victoria group strains"Journal of General Virology. 82. 2169-2172 (2001)
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[Publications] N.Nakagawa: "Characterization of new epidemic strains of influenza B virus by using neutralizing monoclonal antibodies"Journal of Medical Virology. 65. 745-750 (2001)
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[Publications] 奥野良信: "高齢者のインフルエンザ予防策"日本医事新報. 4040. 85 (2001)
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[Publications] 奥野良信: "インフルエンザの疫学と変異"小児感染免疫. 13. 355-358 (2001)
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[Publications] 奥野良信(分担執筆): "感染症研究のいま"大阪大学出版会. 87 (2001)