2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470139
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三嶋 理晃 京都大学, 医学研究科, 教授 (60190625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 和夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90197640)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / 肺気腫 / 胸部CT / 気道病変 / 低吸収領域 / LAA% / WA% |
Research Abstract |
94例のCOPD群、20例のコントロール群について、体軸方向に水平に走り、CTにおいて円形の断面が得られやすい右B^1の気道壁面積(T)、気道内腔面積(Ai),気道壁の気道全体に対する面積比(WA%)を検討した。その結果、COPD群ではコントロール群に加えて有意にT、WA%が大きく、Aiが小さいことが分かった。これよりCOPD群の多くの症例に気道壁が肥厚し、気道内腔が狭い症例があることが分かった。さらに、WA%とLAA%(LAAの肺全体に対する面積比)の気流閉塞の指標に対する寄与をmultiple regression法で調べた。その結果、肺気腫の指標であるLAA%にWA%の指標を加味すると、1秒率や1病量などの気流閉塞の指標との相関は、LAA%単一の場合よりも有意に改善することが判明した。これは、COPDの定義である気流閉塞を、LAA%とWA%が独立して説明できることを示し、CTを用いてCOPDを肺気腫群と気道病変群に弁別できることを示唆していた。そこで、コントロールのLAA%、WA%の平均値+2SDの値を正常上限としてCOPDを4つの群に分けた。LAA%のみ異常高値のものが41例、WA%のみ異常高値のものが22例、両値が異常なものが13例、両者とも正常なものが18例あった。両者とも正常なもののうち、右B^1以外にWA%の異常なものや末梢肺に気道が描出されるものが14例あった。残りの4例は、CT上、異常が認められなかった。この4例は、限局した細気管支レベルの病変が気流閉塞をもたらしている可能性がある。 次に、施設間のCT機器のCT値の違いを補正する目的で2種類のファントムを作成した。正常肺実質に近いCT値を持つ(発砲スチロール+水)のファントムAと、LAAに近いCT値を持つ発泡スチロールのみのファントムBである。3つの異なったCT機種(a, b, c)でこれらを比較した。その結果、ファントムAでは機種a:-672±154、b:-680±138、c:-655±142であり、ファントムBでは機種a:-961±18、b:-970±24、c:-955±14であり、各ファントムで、CT機種間に若干の違いが認められたが、このファントムを用いて施設間のCT亜他の違いを補正できることが分かった。CT値のデータ構造は機種間に相違があるが、私共のLAA%やWA%を自動測定するプログラムを若干補正するだけで、他の施設でも運用が可能である。
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[Publications] Shimizu K, Chin K, Mishima M et al.: "Plasma leptin levels and cardiac sympathetic function in patients with obstructive sleep apnea-hypopnea syndrome"Thorax. (in press).
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[Publications] Nakamura T, Chin K, Mishima et al.: "Acute effect of nasal continuous positive airway pressure therapy on the systemic immunity of patients with obstructive sleep apnea syndrome"Sleep. 24. 545-553 (2001)
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[Publications] Chin K, Ohi M, Mishima M et al.: "Increase in bilirubin levels of patients with obstructive sleep apnea in the morning-a possible explanation of induced heme oxygenase-1"Sleep. 24. 218-223 (2001)
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[Publications] 三嶋理晃: "肺気量分画「機能検査からみた呼吸器診断」"メジカルレビュー社. 302 (2001)