1999 Fiscal Year Annual Research Report
肺気腫の成因・病態に関する分子遺伝学的研究-早期診断、治療への展開をめざして-
Project/Area Number |
11470142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福地 義之助 順天堂大学, 医学部, 教授 (80010156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 正彦 順天堂大学, 医学部, 助手 (60203965)
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 講師 (80245711)
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 講師 (10226681)
瀬戸口 靖弘 順天堂大学, 医学部, 講師 (90206649)
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Keywords | 肺気腫 / 換気力学 / レチノイド / MMP / FHR / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
肺気腫は慢性閉塞性肺疾患の代表的疾患であり、細胞外基質の破壊・断裂を伴う末梢気腔の拡張を特徴とする。肺の先天的発達・成長障害により肺高血圧や末梢気腔拡大を自然発症するモデル動物であるFawn-Hooded Rat(FHR)に喫煙重荷を行うことにより、比較的短期間で肺気腫を発生させうることが期待される。この早期発症肺気腫モデル動物の肺気腫形成過程を経時的に、生理学的・細胞分子生物学的・病理学的に解析する。本年度は気腫化肺の換気力学的特性を生理学的に検討するためにFlexiventという小動物用人工呼吸器を導入した。本装置を用いることにより、肺の圧量曲線、弾性収縮力の測定、気道に気流が流れているdynamicな状態での弾性抵抗・粘性抵抗・慢性抵抗などの換気力学的特性を評価可能である。FHR、Wister系ラット、Wister Kyoto系ラットの3群で、喫煙重荷前後での換気力学的特性を生理学的に評価し、また、単位肺容積あたりの細胞外基質量(エラスチンやコラーゲン)を生化学的に測定しする。本年度は喫煙重荷の諸データを収集中である。 一方、末梢気腔でのプロテアーゼーアンチプロテアーゼバランスに対するレチノイドの作用を検討する目的で、U937とTHP-1(ヒトマクロファージ系細胞株)を用いてMMP(matrix metalloproteinase)の発現パターンを検討した。PMA刺激によりコラゲナーゼ活性を有するMMP9の発現が増強し、この発現増強はレチノイド投与により抑制されるため、同様の現象が喫煙抽出物質でも観察されるかどうか検討中である。レチノイドのMMP遺伝子発現制御機序を明らかにする目的でレチノイドレセプター(RARα、RARβ、RARγ)のPCR用プライマーやプローブを作成し、RT-PCR、ノーザンブロット法でこれらのレチノイドレセプターの発現を検討中である。
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