2000 Fiscal Year Annual Research Report
HAMの臨床病態・発症機序の解明並びに新治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
11470146
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30281223)
中川 正法 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50198040)
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
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Keywords | HAM / HTLV-Iキャリア / HLA classI / HLA classII / プロウイルス量 / 細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
昨年に引き続き鹿児島県在住ならびに他地域のHAM患者、HTLV-IキャリアのHLA classI、classIIタイピング、ABI Prism7700^<TM>でのHTLV-Iプロウイルス定量を行った。昨年までにHLA classIの解析からHAM患者ではHLA-A^*02を持つものがHTLV-Iキャリアに比し低下していること、HLA-A^*02を保有することでHTLV-IキャリアからのHAM発症を28%抑制していることが示され、HTLV-Iキャリア集団ではHLA-A^*02保有者においてHTLV-Iプロウイルス量が低いことが観察されたが、今年度は同様のことがHLA-Cw^*08でも生じていることが確認され、HLA-A^*02かHLA-Cw^*08を持つことでHTLV-IキャリアからのHAM発症を36%抑制していることが明らかとなった。さらにHLA classI領域(A,B,C)が全てヘテロ接合である場合には、どれか一つ以上がホモ接合の場合よりHTLV-Iウイルス量が低いことが観察された。このことはHLA classI分子により教育される細胞傷害性T細胞の頻度が全てヘテロ接合の場合により高いことを示していると考えている。また興味深いことにHLA classI領域ではあるがHLA-B^*5401においてはHAM発症の危険率が17%高くなることが観察された。以上の検討からHTLV-I感染とHTLV-Iウイルス量の増加がHAM発症に必要であることは明らかとなっていたが、今回の検討で特定の免疫遺伝学的背景を持つ集団にHAM発症が多くまたは少なく見られることが更に確かなものとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saito M, et al.: "In vivo selection of T-cell receptor junctional region sequences by HLA-A2 human T-cell lymphotropic virus type 1 Tax11-19 peptide complexes."Journal of Virology. 75. 1065-1071 (2001)
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[Publications] Jeffery KJ, et al.: "The influence of HLA class I alleles and heterozygosity on the outcome of human T cell lymphotropic virus type I infection."Journal of Immunology. 165. 7278-7284 (2000)