2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラミニン2欠損筋ジストロフィーとライ病に共通する末梢神経髄鞘形成不全の分子機構
Project/Area Number |
11470151
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 麻子 帝京大学, 医学部, 助手 (90328039)
山田 広樹 帝京大学, 医学部, 助手 (90260926)
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Keywords | 髄鞘形成 / 先天性筋ジストロフィー / ライ病 / laminin-2 / dystroglycan / シュワン細胞 |
Research Abstract |
dystroglycan複合体は細胞外のlaminin結合蛋白であるα-dystroglycanと細胞膜蛋白であるβ-dystroglycanを中心に構成される.dystroglycan複合体はシュワン細胞,筋細胞を含む様々な細胞の表面膜に発現し,発生の初期には基底膜形成の中核となり,その後は基底膜と細胞内骨格をつなぎとめる強固な架橋構造として維持される.生理的状態としての細胞の発生・分化ならびに病的状態としての癌細胞の転移・侵潤などの過程にはこの架橋構造を特異的にしかも効率良く破壊するメカニズムが存在するはずである.このメカニズムとしてdystroglycan複合体の細胞外ドメインを分解するmatrix metalloproteinase(MMP)の可能性を検討した. 方法:牛末梢神経粗膜分画とラットのシュワン細胞腫由来のRT4細胞を用いdystroglycan複合体のMMPによる分解を検討した.またこの分解の特異性と切断部位を検討した.さらにこの分解がdystroglycan複合体を介する細胞内外の架橋構造に対してもたらす影響を検討した. 結果:(1)β-dystroglycanの細胞外ドメインはMMPにより特異的な分解を受けた,(2)この分解は組織特異的であった(末梢神経,肺,腎で高度,脳,骨格筋,心筋では軽微),(3)このMMP活性は細胞膜分画に存在した,(4)この分解によりdystroglycan複合体を介する細胞内外の架橋が破綻した,(5)予想と異なりこのMMP活性はMMP-2,9ではなかった. 考察:シュワン細胞膜にはdystroglycan複合体を介する細胞内外の架橋構造を特異的に破壊するMMP活性が存在する.この活性はシュワン細胞の発生・分化に重要な役割を果たしている可能性があるのみならず,ライ病菌がシュワン細胞に侵入することを抑制することも予想される.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaki T et al.: "Expression of dystroglycan complex in satellite cells of dorsal root ganglia"Acta Neuropathol.. 101. 174-178 (2001)
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[Publications] Sunada Y et al: "Transgenic mice expressing mutant caveolin-3 show severe myopathy associated with increased nNOS activity"Hum. Molec. Genet.. 10. 173-178 (2001)
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[Publications] Yamada H et al.: "Processing of β-dystroglycan by matrix metalloproteinase disrupts the link between the extracellular matrix and cell membrane via the dystroglycan complex"Hum. Molec. Genet.. 10. 1563-1569 (2001)
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[Publications] Sunada Y et al.: "Abnormality of the myocardial sympathetic nervous system in a patient with Becker muscular dystrophy detected with lodine-123 metaiodobenzylguanidine scintigraphy"Clin. Nucl. Med.. 26. 701-703 (2001)