2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470156
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
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Keywords | ストレス応答 / BTEB2 / Hex / CARP / スタチン / エンドセリン / 血管 / 転写 |
Research Abstract |
心血管系疾患の発症や進展過程では、各細胞型の細胞において、細胞からの負荷に対してそれぞれの細胞の機能に重要なさまざまな遺伝子の発現が一斉にONあるいはOFFとなる。したがって血管細胞の活性化の機構を解析する有効なアプローチはこうした、外的負荷にともなって発現が変化する遺伝子群で特に血管の病態に重要な遺伝子群の発現を調節する機構を解析することである。とくに、様々な機能をもつ遺伝子が協調的に変化することから、遺伝子転写を包括的に調節する転写因子を同定することが重要である。心血管細胞におけるストレス応答の分子機序の解析を行った。特に、心筋における遺伝子の発現調節や心筋症モデルを用いた遺伝子解析、およびバルーン傷害時に新生内膜に誘導される転写因子BTEB2とHex,CARPの機能解析を行った。その結果、これらの因子は平滑筋細胞の脱分化時に誘導され、さまざまな遺伝子の発現を調節することが明らかになった。また、アンキリン反復配列を含む核内因子CARPは、これまでまったく生理機能が不明であったが、この因子が細胞周期に関連するp21/WAF1のレベルを転写後調節によって上昇させ、細胞増殖や細胞肥大を抑制する機能をもつことを明らかにした。この因子で興味深いことはこの因子が心血管細胞に特異的に存在する因子であること、構造上、INK4とよばれる癌抑制因子p16と相同性をもつことであり、こうした性格をもつものはこれまでに報告がない。血管内皮細胞においてはHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)によって直接的に発現が低下する遺伝子としてエンドセリン遺伝子やPAI-1遺伝子を対象にした詳細な研究をすすめ、15塩基対からなるスタチン反応エレメントを同定した。現在そのエレメントに結合する核蛋白の抽出、精製を行なっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Aihara Y: "Cardiac ankyrin repeat protein is a novel marker of cardum …"Hypertension. 36. 48-53 (2000)
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[Publications] Aihara Y: "Doxorubicin represses CARP gene transcription though …"J.Mol.Cell Cardiol.. 32. 1401-1414 (2000)
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[Publications] Tanaka T.: "Induction of VEGF gene transeription by IL-1β is mediated …"J.Mol.Cell.Cardial.. 32. 1955-1967 (2000)
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[Publications] Kanai H.: "TGFβ/Smads signalings induces transcription of …"Circ.Res.. 88. 30-36 (2001)
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[Publications] Sekiguchi K.: "Homeobox protein Hex induces SMemb/Nonmuscle …"Circ.Res.. 88. 52-58 (2001)