1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 利之 東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (40236302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 厚史 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 和昌 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
松井 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30282669)
清水 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 心筋虚血・再灌流 / 心筋細胞 / 血管内皮成長因子 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / hypoxia-inducible factor / RT-PCR法 / RACE法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、培養心筋細胞を用いたin vitroの虚血・再灌流、低酸素モデル等において、転写因子hypoxia-induciblefactor-1α(HIF-1α)の機能的意義を明らかにすることであった。また、HIF-1αの重要な標的遺伝子であり,、虚血心筋におけるその発現、作用が注目されている血管内皮成長因子(VEGF)や、虚血・再灌流障害との関連性が示唆されている誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の心筋細胞における発現調節機構についても検討を加えた。 1) 心筋細胞におけるVEGFの発現調節機構:まず、新生仔ラット由来の培養心筋細胞を用いて、リボ多糖(Sugishita Y,et al.Biochem Biophys Res Commun,2000)、アデノシン(2型受容体経由、Shimizu T,et al.Scientific Conference on Molecular,Cellular and Integrated Physiological Approaches to the Failing Heart,Salt Lake City,USA,1999で発表)によりVEGF遺伝子の発現が亢進することを報告した。特に、リポ多糖刺激では心筋細胞にiNOS遺伝子も誘導されるが、その分子機構はVEGF遺伝子誘導とは異なることが示唆された。他方、ニワトリ胚由来心室筋細胞(CEVM)を用いて、胎仔期心筋細胞におけるVEGF遺伝子の発現機構についても報告を行った(Sugishita Y,et al.,J Mol Cell Cardiol,submitted)。 2) CEVMにおけるHIF-1αcDNAのクローニングと変異体の作製:RT-PCR法およびRACE法を用いて、CEVMより、HIF-1αの全長cDNAを単離することに成功し、現在その構造解析を進めている。ニワトリHIF-1αcDNAの核酸配列は哺乳類と高い相同性(アミノ酸配列として80%以上)を示しており、この分子の構造が進化の過程で保存されていること、すなわちその機能的意義が普遍的であることを示している。今後、その構造-機能相関をさらに解明するため、ニワトリHIF-1αcDNAの種々の変異体を作製する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sugishita Y,Shimizu T,Takahashi T,et al.: "Lipopolysaccharide augments expression and secretion of vascular endothelial growth factor in rat ventricualr myocytes"Biochem Biophys Res Commun. 268. 657-662 (2000)