2000 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症インスリン依存性糖尿病の発症病因,病態に関する研究
Project/Area Number |
11470175
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風張 真由美 北里大学, 医学部, 助手 (60224383)
風張 幸司 北里大学, 医学部, 助手 (90214288)
野間 剛 北里大学, 医学部, 講師 (60208387)
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Keywords | 小児1型糖尿病 / HLA抗原遺伝子 / NeuroD / BETA2遺伝子 / 遺伝子多型 / CD30遺伝子 / CD30Ligannd遺伝子 / 1型糖尿病の多様性 |
Research Abstract |
1.日本人小児発症1型糖尿病の多様性とHLA抗原遺伝子の解析及びNeuroD/BETA2遺伝子多型 1型糖尿病の発症感受性遺伝子の検討で,昨年まで行ったHLA抗原遺伝子、CTLA-4遺伝子に次いでNeuroD/BETA2遺伝子の検討を行った。この遺伝子はインスリン遺伝子の転写因子であり、膵臓β細胞の発現に重要な役割を果たしている。NeuroD/BETA2遺伝子は2番染色体長腕(2p32)にコードされる。この場所はIDDM7遺伝子座と近接している。NeuroD/BETA2遺伝子にはG-A多型が存在し、45番アミノ酸がalanineがthreonineに置換する。この多型と小児発症1型糖尿病の関連、特に低年齢発症例についての意義を検討した。 対象及び方法:小児期発症IDDM患者を急性発症IDDM(A)(n=126)と、緩徐発症IDDH(S)(n=37)に分類し、IDDM(A)のうち発症年令が5歳未満をIDDM(E)(n=44)、正常対照(n=101)とした。方法は多型部分を含む343bpをPCRにて増幅し、direct sequencingにより多型の解析を行った。 結果:1)NeuroD/BETA2遺伝子多型は対照群がA/A2.0%,A/G16.8%,G/G81.2%に比べてIDDM(A)ではA/A3.2%,A/G17.5%,G/G79.3。IDDM(E)ではA/A0%,A/G11.4%,G/G88.6%。IDDM(S)ではA/A5.3%,A/G13.5%,G/G83.7%であり、有意な差は認められなかった。2)HLA class II抗原遺伝子とNeuroD/BETA2遺伝子多型の組み合わせと糖尿病の関係をOdd's ratio(OR)にて比較した結果、有意な関係は認められなかった。以上のことから従来の報告されている結果と異なるものであった。特に、患児におけるA/G多型の割合は変わらなかったが、正常対照の割合が他の報告の2倍くらい有り、これが有意さを無くす要員と考えられた。 2.日本人小児発症1型糖尿病の多様性とHLA抗原遺伝子の解析及びCD30,CD30Ligand遺伝子多型 Th1サイトカイン、自己反応性T細胞作用を抑制するCD30,CD30Ligannd(CD30L)遺伝子多型について検討し、3箇所の遺伝子多型を同定した。この内CD30L遺伝子プロモータ領域の(CA)繰り返し配列数多型に差を認めた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Eigi Kawasaki 他: "Identification and functional analysis of mutations in the hepatocyte nuclear factor-1α in Japanese diabetic patients."initially classified as having type 1 diabetes.J Clin Endocrinol Metabolism. 85(1). 331-335 (2000)
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[Publications] Aono S 他: "Marriage rate and number of children among young adults with insulin-dependent diabetes mellitas in Japan."Diab Res Clin Prac. 49(2). 135-141 (2000)
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[Publications] Kizaki T 他: "Effects of aging on generation of ED^2hight MHC class II^+macrophages during cold stress."Scand J Immunal. 51(1). 36-44 (2000)
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[Publications] Kigaki T 他: "Age-associated in crease of fasal corticosterone levels decrease ED2^<hihght>, NF-k,B^<hight activated macrophage>"J Leukoc Biol. 68(1). 21-30 (2000)
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[Publications] 松浦信夫 他: "小児1型糖尿病患者におけるインスリンリンスプロ頻回注射法の臨床評価"臨床医薬. 16(11). 1665-1676 (2000)
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[Publications] 松浦信夫: "小児1型糖尿病のコントロールと長期予後"小児科. 41(7). 1263-1271 (2000)
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[Publications] 松浦信夫 他: "永井書店"小児糖尿病の臨床. 217 (2000)
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[Publications] 松浦信夫: "医学書院"糖尿病2000.糖尿病学展望21世紀を迎えるにあたって.. 273 (2000)