2000 Fiscal Year Annual Research Report
MHC高親和性抗原ペプチドの経表皮性接種によるメラノーマの免疫療法の開発
Project/Area Number |
11470181
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
斎田 俊明 信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
山崎 自子 信州大学, 医学部, 助手 (80242684)
河内 繁雄 信州大学, 医学部, 講師 (20143969)
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Keywords | メラノーマ / 免疫療法 / 抗原ペプチド / 経皮感作 / 樹状細胞 / 細胞障害性T細胞 |
Research Abstract |
本年度もC57BL/6マウスとその自家系腫瘍であるB16マウスメラノーマの系で抗原ペプチド塗布による細胞障害性T細胞(CTL)誘導の基礎的実験を継続した。主な結果は以下のとおりである。 1.角層剥離耳介表皮へのメラノーマ抗原ペプチドgp100の2回塗布による検討:C57BL/6マウスの右耳介部皮膚にセロテープを15回着脱させて角層を剥離し、24時間後にhuman-gp100(KVPPNQDWL)あるいはmouse-gp100(EGSRNQDWL)のペプチドを塗布し、2週間後に左耳介に同様の塗布を行った。2回目の塗布の5日後、マウスの脾臓と頸部リンパ節を摘出し、リンパ球をえた。これについて上記ペプチドによる^<51>Cr-release assayを行ったところ、頸部リンパ節細胞由来のリンパ球で弱いながらmouse-gp100に対しCTL活性が認められたが、脾臓由来のリンパ球にはCTL活性は見出されなかった。なお、human-gp100に対してはいずれのリンパ球にもCTL活性は見出されなかった。 2.角層剥離耳介・腹部表皮への同上ペプチド2回塗布:同マウスの耳介と腹部をテープストリッピング後、同上ペプチドを2回塗布し、5日後にマウスの脾臓、頸部リンパ節、腸間膜リンパ節よりリンパ球をえてCTL活性をみた。その結果、やはりmouse-gp100に対して頸部リンパ節由来リンパ球と腸間膜リンパ節由来リンパ球でCTL活性が認められ、後者の方がやや活性が強いことが示された。なお、この場合もhuman-gp100に対するCTL活性は見出されなかった。 以上、感作部位の所属リンパ節にはCTL活性が見出されるが、脾臓にはCTLは出現しないこと、予想に反してhuman-gp100に対する反応は誘導されないことが明らかにされた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Saida,T., et al.: "Malignant melanomas on the sole : How do detect the early lesions efficiently"Pigment Cell Res. 13(suppi). 135-139 (2000)
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[Publications] Saida,T.: "Recent advances in melanoma research"J Dermatol Sci. 24(in press). (2001)
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[Publications] Cascinelli,N., et al.: "What is the most promising strategy for the treatment of metastasizing melanoma?"Exp Dermatol. 9. 439-451 (2000)
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[Publications] Kubo,H., et al: "Sequential chemoimmunotherapy with cisplatin, IFN-β, and IL-2 inhibits the growth of B16-F1 melanoma in syngeneic mice"Melanoma Res. 10. 223-229 (2000)
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[Publications] Kageshita,T., et al: "Growth inhibition of human melanoma transfected with the human IFN-β gene by means of cationic liposomes "Melanoma Res. 11(in press). (2001)
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[Publications] Ishihara,K., et al.: "Updated statistical data of malignant melanoma in Japan"Int J Clin Oncol. 6(in press). (2001)
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[Publications] 斎田俊明,他: "悪性黒色腫の診断・治療指針"金原出版. 203 (2001)
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[Publications] 斎田俊明: "皮膚病理組織診断学入門"南江堂. 193 (2000)