2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470185
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 春巳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70235985)
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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Keywords | 自己免疫 / 天疱瘡 / 自己抗体 / モデルマウス / ELISPOT法 / ノックアウトマウス / 免疫寛容 / 水疱症 |
Research Abstract |
自己免疫性疾患は自己抗原に対する免疫寛容が破綻することにより発症すると考えられているが、その詳細なメカニズムは不明である。天疱瘡は、細胞間接着分子であるデスモグレインに対する自己抗体により誘導される自己免疫性水疱性疾患である。本研究は、天疱瘡患者検体および天疱瘡モデルマウスの双方を材料とし、ヒトおよびマウスの両側面から天疱瘡における病的自己抗体産生機構を解明することを目指す。特に、自己抗体産生にT細胞,B細胞がどのようにかかわっているかを明らかにし、自己抗原反応性の細胞がどのようにして活性化されるのか、自己寛容の破綻がどのようにして起こるのかを明らかにする。本年度は、我々の作成した天疱瘡モデルマウスを用いて、病的抗体産生機序の解析を主に行った。病的抗体産生に必要な免疫寛容の破綻が、T細胞、B細胞のどちらのレベルで起こっていること重要であるか検討することにより、病的抗体産生におけるT細胞、B細胞の役割を解析した。T細胞は、Dsg3-/-マウス、およびDsg3+/-マウスより、B細胞は、Dsg3-/-マウス、およびDsg3+/+マウスより精製する。それらのT細胞、B細胞を種々の組み合わせ、Rag2-/-マウスに移植する実験を行った。移植実験の結果、天疱瘡の表現型はDsg3-/-TとDsg3-/-Bの組み合わせのみで認められ、それ以外の組み合わせでは全く誘導されなかった。以上の結果より、本天疱瘡モデルマウスにおける病的抗体産生には、T細胞のみならず、B細胞のレベルにおいても免疫寛容が破綻している必要があることが示唆された。また、天疱瘡モデルマウスより、水疱形成を誘導できるモノクローナル抗体の単離を試みている。
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[Publications] Amagai M,Tsunoda K,Suzuki H,Nishifuji K,Koyasu S,Nishikawa T: "Use of autoantigen knockout mice to develop an active autoimmune disease model of pemphigus."J Clin Invest. 105. 625-631 (2000)
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[Publications] Wu H,Wang ZH,Yan A,Lyle S,Fakharzadeh S,Wahl JK,Wheelock MJ,Ishikawa H,Uitto J,Amagai M,Stanley JR: "Protection against pemphigus foliaceus by desmoglein 3 in neonates."N Eng J Med. 343. 31-35 (2000)
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[Publications] Futei Y,Amagai M,Sekiguchi M,Nishifuji K,Fujii Y,Nishikawa T: "Conformational eptiope mapping of desmoglein 3 using domain-swapped molecules in pemphigus vulgaris."J Invest Dermatol. 115. 829-834 (2000)
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[Publications] Amagai M,Matsuyoshi N,Wang ZH,Andl C,Stanley JR: "Toxin in bullous impetigo and staphylococcal scalded skin syndrome targets desmoglein 1."Nature Medicine. 6. 1275-1277 (2000)
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[Publications] Hanakawa Y,Amagai M,Shirakata Y,Sayama K,Hashimoto K: "Different effects of dominant negative mutants of desmocollin and desmoglein on the cell-cell adhesion of keratinocytes."J Cell Sci. 113. 1803-1811 (2000)
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[Publications] Proby CM,Ohta T,Suzuki H,Koyasu S,Camou S,Shimizu N,Wheelock MI,Nishikawa T,Amagai M: "Development of chimeric molecules for recognition and targeting of antigen-specific B cells in pemphigus vulgaris."Br J Dermatol. 142. 321-330 (2000)
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[Publications] 天谷雅行: "免疫学がわかる"羊土社. 123 (2000)