1999 Fiscal Year Annual Research Report
切除不能膵癌に対する新しい低酸素細胞増感剤と術中照射の併用療法の基礎的研究
Project/Area Number |
11470190
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝本 雄太 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (20144719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 啓資 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20225858)
|
Keywords | 放射線増感剤 / 低酸素細胞増感剤 / 膵癌 / 術中照射 |
Research Abstract |
切除不能膵癌に対して、新しい低酸素細胞増感剤ドラニダゾール(PR-350)と術中照射の併用の臨床試験が行われている。しかし膵癌の放射線感受性、特に低酸素細胞分画の有無、大きさと膵癌に対するドラニダゾールの有効性に関するデータはほとんどなかった。当研究の目的はこれらについて検討することである。今年度は主にin vitroの実験を行った。4種類のヒト膵癌細胞株(SUIT-2、PANC-1、MIA PaCa-2、BxPC-3)と、コントロールとしてマウスSCCVII細胞を使用した。それぞれの細胞系に対して、ドラニダゾールを注入せずに、あるいは45分前に培養液に注入して照射を行い、細胞生存曲線と有酸素および低酸素状態のおける増感効果を検討した。薬剤の濃度は0.4および1 mMとした。薬剤は照射終了後除去し、8-14日間の培養の後、コロニーを計数した。細胞生存率曲線上、SCCVIIと比べて、PANC-1のD_0値とSUIT-2の外挿値nが大きかったが、放射線感受性に関して4種類の膵癌細胞に共通した特徴はなかった。有酸素状態では1mMの濃度のおいて、ドラニダゾールの増感効果は全く認めなかった。一方低酸素状態では、ドラニダゾールはすべての細胞に対して増感効果を示した。4種の膵癌細胞における低酸素状態での増感率は0.4mMで1.25-1.3、1mMで1.4-1.55であり、SCCVIIにおける増感率と大差はなかった。これらの実験結果に基づいて、次年度はin vivoにおける検討を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Shibamoto Y. 他: "Systemic chemotherapy with vincristine, cyclophosphamide, doxorubicin and prednisolone following radiotherapy for primary central nervous system lymphona: a Phese II study"Journal of Neuro-Oncology. 42・2. 161-167 (1999)
-
[Publications] Matsuoka H.,Shibamoto Y. 他: "In vivo efficacy and pharmacokinetics of a new hypoxic cell rodiosensitizer doranidazole in SUIT-2 human pancreatic cancer xenografted in mouse pancreas"Oncology Reports. 7・1. 23-26 (2000)
-
[Publications] Kanamori S.,Shibamoto Y. 他: "Tumor response and patterns of failure following intraoperative radiotherapy for unresectable pancreatic cancer. Evaluation by computed tomography"Acta Oncologica. 38・2. 215-220 (1999)