2000 Fiscal Year Annual Research Report
サーモシミュレーションによる局所温度解析と温熱致死効果増強作用に関する研究
Project/Area Number |
11470195
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 良明 日本大学, 医学部, 教授 (20023806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 勉 日本大学, 医学部, 講師 (80139120)
佐貫 榮一 日本大学, 医学部, 助教授 (50142500)
浦橋 信吾 日本大学, 医学部, 助教授 (10059488)
河守 次郎 日本大学, 医学部, 助手 (10224867)
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Keywords | 温熱療法 / サーモシミュレーション / RF誘電加温 / 非侵襲的温度測定 / 温度パラメータ / 等価加温時間 / 温熱効果 |
Research Abstract |
癌温熱療法において有効な治療効果を得るには、病巣部を至適温度に加温することが不可欠であるが、このために加温中の体内温度をモニターする方法としてサーモシミュレータを導入し、温度パラメータと温熱治療効果との関係を解析した。 1998〜1999年に温熱療法を施行した症例のうち、治療計画CTを行った19例を対象とした。温熱療法は8MHzのRF(radio frequency)波による誘電加温装置(Thermotron-RF8)で行い、これに、画像データ取り込み装置、画像処理用CPUおよび解析ソフトからなるサーモシミュレータを接続して局所発熱量を求め、体内組織の温度分布ならびに各種温度パラメータを計算により求めた。症例内訳は、肺・縦隔腫瘍4例、大腸・直腸癌4例、頭頸部腫瘍3例、乳癌3例、胆道癌2例などで、深さ別では浅在性8例、深在性11例であった。加温は平均出力359〜1150Wで平均50分行い、多くは週1回で計2〜7回行った。 局所の一次効果はCR2例、PR9例、NC8例であった。温熱量の指標としてT90、T50、T10、Tmax、Tmin、TaveのEM43、teq43(43℃等価加温時間)を用いた。CR例、PR例のEM43T90は12.42、4.31、EM43Tminは8.11、2.16、teq43T90は11.42.2.12、teq43Tminは6.63、1.09であり、有意差はないがCR例のほうが等価加温時間は長い傾向にあった。Tmax、Tave、Tminについては差が見られなかった。等価加温時間と奏効率との関係では、EMT43T90、EMT43Tminでは4分以上でそれぞれ75%、67%であり、teq43T90、teq43Tminでは3分以上でそれぞれ67%、71%であった。 以上よりサーモシミュレータによる解析では、等価加温時間は温熱治療効果を反映する傾向にあった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田中良明: "放射線感受性を高めるための臨床的工夫"癌の臨床. 46・3. 219-222 (2000)
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[Publications] 田中良明: "温熱放射線療法が著効を示した胃癌局所再発の一例"日本ハイパーサーミア学会誌. 16(S). 69 (2000)
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[Publications] 田中良明: "サーモシミュレータによるサーマルファクターと温熱治療効果の関係についての解析"日本ハイパーサーミア学会誌. 16(S). 88 (2000)
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[Publications] 田中良明: "局所領域再発乳癌に対する温熱放射線療法"日本ハイパーサーミア学会誌. 16(S). 121 (2000)
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[Publications] Tanaka,Y.: "Development of RF and microwave heating equipment and clinical applications to cancer treatment in Japan"IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques. 48・11. 1789-1799 (2000)