2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470200
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
三國 雅彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00125353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間島 竹彦 群馬大学, 医学部, 助手 (00312869)
井田 逸朗 群馬大学, 医学部, 講師 (50251103)
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Keywords | 視床下部-下垂体-副腎皮質系 / グルココルチコイド受容体 / セロトニン2A受容体 / 免役組織化学 / 自殺者死後脳 |
Research Abstract |
(a)デキサメサゾン/CRH負荷試験での非抑制が未治療うつ病の65%に見出された。 感情障害の病態の一つは視床下部-下垂体-副腎皮質系の機能亢進であり、デキサメサゾンによるフィードバックがかかりずらいことが知られているが、日本人ではその頻度は低いと報告されている。われわれの検討でも33例の未治療うつ病でのデキサメサゾン非抑制は18%にすぎず、欧米での40〜70%という報告よりはるかに低率であったが、同一症例について施行したデキサメサゾン/CRH負荷試験での非抑制は65%と高率に見出された。この非抑制群と抑制群について既往の自殺企図の有無や自殺の遺伝負因の有無との関連を検討したところ、非抑制群で自殺企図の既往が有意に高いことが明らかになった。 (b)ACTH投与でラット大脳皮質5-HT-2ARの発現の増加を免疫組織学的に証明した。 感情障害の病態のもう一つとしてセロトニン2A受容体の機能亢進が確実視され、決定的な手段による自殺企図の危険因子の一つとも報告されているので、昨年作製した、セロトニン2A受容体に特異的なアミノ酸配列を示すペプチドに対する抗体を用いて、セロトニン2A受容体発現の増加と下垂体-副腎皮質系の機能亢進との関連についてラットを用いて免疫組織学的に検索した。その結果、予想どおりACTHの7日間の反復投与により、前頭皮質のセロトニン2A受容体陽性神経細胞が増加していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Keiko Ikemoto: "Human midbrain dopamine neurons express serotonin 2A receptor : an immunohistochemical demonstration."Brain Research. 853. 377-380 (2000)
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[Publications] 三國雅彦: "「抑うつ」という愁訴と治療"臨床精神医学. 29巻. 399-402 (2000)
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[Publications] 三國雅彦: "ステロイドホルモンと脳科学 性・ストレス・脳をめぐって(2000年版)"クバプロ. 210 (2000)