1999 Fiscal Year Annual Research Report
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の生理的・病態生理的意義の解明 ―ノックアウトマウス及びトランスジェニックマウスの開発と解析―
Project/Area Number |
11470226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 佳宏 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70291424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 清 京都大学, 放射線同位元素総合センター, 助手 (90227132)
伊藤 裕 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40252457)
|
Keywords | C型ナトリウム利尿ペプチド / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 成長板軟骨 / 内軟骨性骨化 |
Research Abstract |
1.骨軟部組織におけるCNP過剰発現トランスジェニックマウスの開発と解析:成長板軟骨において発現するマウスII型コラーゲンプロモーターの下流にマウスCNPcDNA全長を連結した導入遺伝子を作製し、導入遺伝子を約10コピー有するトランスジェニックマウスを作製した。このCNP過剰発現トランジェニックマウスでは、対照マウスと比較して著しい体幹及び四肢の伸長促進を認めた。特に、6週齢頃よりその差は増大し、12週齢の吻臀長は対照マウスと比較して約10%の増加を認めた。またホモ接合体ではヘテロ接合体と比較して、更に伸長促進が認められた。軟X線撮影にて検討したところ、30週齢のトランスジェニックマウスでは、側頭骨、四肢長管骨及び椎骨の長軸方向への伸長促進が確認された。伸長促進は近位部においてより著明であり、上腕骨、大腿骨の長軸方向の長さは、対照マウスと比較して約25%の増加が認められた。Alcian blue/HE染色による組織学的検討により、CNP過剰発現トランスジェニックマウスでは成長板軟骨層の増大が観察され、更に四肢骨骨端海綿骨における脂肪髄様変化が認められた。 本研究により、生体においても成長板軟骨局所において発現したCNPが成長板軟骨層を増大することが証明された。 2.CNP遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)の開発:129/SvマウスCNP遺伝子をクローニングし、得られたCNP遺伝子の第1、第2エクソンをネオマイシン耐性遺伝子に置換したターゲティングベクターを構築し、CNPヘテロ接合体およびホモ接合体ノックアウトマウスの作製に成功した。今後CNPノックアウトマウスの骨格変化を検討していく予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Naohisa Tamura et al.: "Cardiac fibrosis in mice lacking brain natriuretic peptide"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (in press). (2000)
-
[Publications] Masato Kasahara et al.: "Ameliorated glomerular injury in mice overexpressing brain natriuretic peptide with renal ablation"J. Am. Soc. Nephrol.. (in press). (2000)
-
[Publications] Shigeo Yura et al.: "Accelerated puberty and late-onset hypothalamic hypogonadism in female transgenic skinny mice overexpressing leptin"J. Clin. Invest.. (in press). (2000)
-
[Publications] Megumi Aizawa-Abe et al.: "Pathophysiologic role of leptin in obesity-related hypertension"J. Clin. Invest.. (in press). (2000)
-
[Publications] 中所英樹他: "利尿ペプチドファミリーの役割"血管と内皮. 10・1. 85-92 (2000)
-
[Publications] 田村尚久他: "遺伝子改変動物から見た心血管系における ANP と BNP の生理的・病態生理的意義"医学のあゆみ. 191・5. 592-598 (1999)