1999 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性及び動脈硬化症の病因における脂肪酸の意義に関する発生工学的研究
Project/Area Number |
11470231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 信博 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (40200729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 俊 東京大学, 糖尿病代謝内科, 助手 (90212919)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 脂肪酸 / 発生工学 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本計画の主要な目的は生体内で組織特異的に脂肪酸合成を制御することによりもたらされる糖脂質代謝、インスリン抵抗性、動脈硬化症への影響を検討することにある。本年度は脂肪酸合成を抑制した系のシステムとして脂質合成制御転写因子であるSREBP-1ノックアウトマウスのそのモデルとしての妥当性を検討した。SREBP-1KOマウスを脂肪酸合成が誘導されるような食事負荷を与えた条件で肝臓、脂肪における脂肪酸合成系(リポジェニック)酵素の発現を検討したところ野生型に比べ、著しく低下していた。さらに血中の遊離脂肪酸濃度も低下していた(1)。また肝脂肪酸合成を抑制することで知られる多価不飽和脂肪酸をマウスに投与するとSREBP-1が抑制されることも見いだした。このようにインスリン抵抗性、動脈硬化症に対する脂肪酸低下の効果を評価するモデルマウスおよび方法を確立した(2)。逆に脂肪酸合成を活性化したシステムとして、トランスジェニックマウスの作製を進行中であるが、様々なリポジェニック酵素のプロモーターに対する各SREBPアイソフォームの転写活性力をレポータージーンアッセイで評価した(投稿中)。この解析はトランスジェニックマウス作製の際、いずれのアイソフォームを過阡K切か、重要な指標となった。すでに確立した肝臓発現型SREBP-1トランスジェニックマウスに関しては、糖、インスリン代謝を現在解析中である。また膵β細胞におけるインスリン分泌に対する脂肪酸の効果を検討するべくインスリンプロモーター支配下のSREBP発現ベクターを作製した。今後、培養細胞での発現実験の解析後、トランスジェニックマウスの作製予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 後藤田貴也、山田信博 他: "Absence of Cd36 mutation in the original spontaneously hypertensive rats with insulin resistance."Nat. Gent.. 22. 226-228 (1999)
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[Publications] 兎澤隆一、山田信博 他: "Embroynic Lethality and Defective Neural Tube Closure in Mice Lacking Squalene Synthase."J, Biol. Chem.. 274. 30843-30848 (1999)
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[Publications] 大須賀順一、山田信博 他: "Targeted disruption of hormone sensitive lipase results in male sterility and adipocyte hypertrophy, but not in obeisty."Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 97. 787-792 (2000)
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[Publications] 島野仁、山田信博 他: "Sterol Regulatory Element-binding protein-1 as a key transcription factor for nutritional induction of lipogenic enzyme genes."J. Biol. Chem.. 274. 35832-35839 (1999)
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[Publications] 矢作直也、山田信博 他: "A crucial role of sterol regulatory element-binding protein-1 in the regulation of lipogenic gene expression by polyunsaturated fatty acids."J. Biol. Chem.. 274. 35840-35844 (1999)
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[Publications] 横山郁夫、山田信博 他: "Improvement of impaired myocardial vasodilation due to diffuse coronary atherosclerosis in hypercholesterolemics after lipid lowering therapy."Circulation. 100. 117-122 (1999)