2000 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性及び動脈硬化症の病因における脂肪酸の意義に関する発生工学的研究
Project/Area Number |
11470231
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 信博 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (40200729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 博仁 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30312846)
豊島 秀男 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20197966)
|
Keywords | インスリン抵抗性 / 脂肪酸 / 発生工学 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本計画の主要な目的は生体内で組織特異的に脂肪酸合成を制御することによりもたらされる糖脂質代謝、インスリン抵抗性、動脈硬化症への影響を検討することにある。前年度までに、SREBP-1のトランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスの解析を通じて、この転写因子が脂肪酸、中性脂肪の合成転写調節をおこなっていることを示してきた。さらSREBP-1は脂質合成調節においてSREBP-1自身の発現量を増減し、糖インスリン作用のメディエーターになっている可能性が示唆されている。本年度われわれは、肝細胞系において、培養液中の糖濃度の上昇によりSREBP-1の発現量が増加し、糖が脂肪酸合成の原料のみならずSREBP-1発現のシグナルにもなっていることを報告した(1)。さらにエネルギーの過多が脂肪酸合成のシグナルとしてSREBP-1発現の誘導をもたらすメカニズムを検討する目的で、SREBP-1cプロモーターの解析をおこなった(2)。SREBP-1cプロモーターの塩基配列を決定したところ、転写開始点の上流にSREBP自身が結合するsterolregulatory element(SRE)を発見した。SREBP-1cプロモーターにおけるSREの存在は、刺激がauto loopをなし脂肪酸合成の生理的制御の様態をよく説明する。さらにSREの上流には興味深いことにコレステロール、オキシステロールにより誘導される配列が認められた。この配列の存在は脂肪酸合成とコレステロール代謝の関連を示唆する。膵β細胞におけるインスリン分泌に対する脂肪酸の効果を検討するべくインスリンプロモーター支配下のSREBPトランスジェニックマウスの作製計画を継続中であり、ファウンダーマウスが得られ、発現ラインの検討中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 大須賀,山田 他: "Targeted disruption of hormone sensitive lipase results in male sterility and adipocyte hypertrophy, but not in obeisty."Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. 97(2). 787-792 (2000)
-
[Publications] 阿部,山田 他: "Chronic inhibitory effect of insulin on plasma lipid concentrations in rats with transplanted pancreas."Transplantation.. 69(10). 2038-2042 (2000)
-
[Publications] 野牛,山田 他: "Absence of ACAT-1 attenuates atherosclerosis but causes dry eye and cutaneous xanthomatosis in mice with congenital hyperlipidemia."J Biol Chem.. 275(28). 21324-21330 (2000)
-
[Publications] 雨宮,山田 他: "Promoter Analysis of the Mouse Sterol Regulatory Element-binding Protein-1c Gene."J Biol Chem.. 275(40). 31078-31085 (2000)
-
[Publications] Hasty AH,山田 他: "Sterol Regulatory Element-binding Protein-1 Is Regulated by Glucose at the Transcriptional Level."J Biol Chem.. 275(40). 31069-31077 (2000)
-
[Publications] 大橋,山田 他: "Novel mutations in the microsomal triglyceride transfer protein gene causing abetalipoproteinemia."J Lipid Res.. 41(8). 1199-1204 (2000)