2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管内皮細胞特異抗原をターゲットとした治療法の研究・開発
Project/Area Number |
11470241
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津野 寛和 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80228064)
北山 丈二 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251308)
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Keywords | 腫瘍血管 / 内皮細胞 / 抗体 / 癌治療 |
Research Abstract |
血管新生は癌の増殖、進展に重要な役割を果たしており、臨床試験でも血管新生と癌の転移や患者の予後との有意な関係が報告されている。新生血管をターゲットとした治療法の開発は癌の治療、特に手術的切除不能症例や転移例の治療に大きく貢献する可能性が考えられる。 本研究では新生血管内皮細胞に特異的に発現する抗原をターゲットとした治療法を開発し、臨床への応用を目的とした。 我々は血管新生誘導因子であるVEGF、basic FGF等で刺激した臍帯静脈由来の内皮細胞(HUVEC)をマウスに免役し、内皮細胞と反応する抗体を作製した。作製した抗体のうち、大腸癌組織における腫瘍内及び周囲の血管の内皮細胞と特異的に反応する抗体を選別し、解析を行ってきた。腫瘍血管内皮細胞と特異的に反応する抗体のうち、エンドグリンやインテグリンであるαVβ3等を認識する抗体が得られた。免疫染色では、大腸癌、胃癌、乳癌、脳腫瘍の腫瘍血管内皮細胞に特異的に反応し、それらの正常組織の内皮細胞とは反応性を示さないことが確認された。 また、マウスを用いた大腸癌肺転移モデルにおいても、これらの抗体を投与することにより、転移個数の有意な減少が認められた。 以上より、血管新生のターゲッティングは癌治療の新たなストラテジーになる可能性があり、今後ヒトへの投与を考慮し、更に研究を発展させる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sunami Eiji: "Decreased synthesis of MMP-7 and adhesion to extracellular matrix proteins of human colon cancer cells treated with Troglitazone"Surgery Today. 32(4). (2002)
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[Publications] Osada Takuya: "Dendritic cells activate antitumor immunity for malignant intracranial germ cell tumor : a case report"Japanese Journal of Clinical Oncology. 31(8). 403-406 (2001)
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[Publications] Sunami Eiji: "MMP-1 is a prognostic marker for hematogenous metastasis of colorectal cancer"The Oncologist. 5(2). 108-114 (2001)
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[Publications] Kitayama Joji: "E-selectin can mediate the arrest type of adhesion of colon cancer cells under physiological shear flow"European Journal of Cancer. 36(1). 121-127 (2000)
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[Publications] Saito Shinsuke: "Expression of platelet-derived endothelial cell growth factor correlates with good prognosis in patients with colorectal carcinoma"Cancer. 88(1). 42-49 (2000)
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[Publications] Tomozawa Shigeru: "Cyclooxygenase-2 overexpression correlates with tumour recurrence, especially haematogenous metastasis, of colorectal cancer"British Journal of Cancer. 83(3). 324-328 (2000)