1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
日置 紘士郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (60077641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60155778)
大草 世雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (80247907)
山道 啓吾 関西医科大学, 医学部, 助手 (70291804)
池中 一裕 岡崎生理学研究所, 神経情報, 教授 (00144527)
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Keywords | 胃癌 / 癌関連遺伝子 / 機能発現クローニング / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
細胞増殖に関係すると言われている遺伝子としてc-myc,c-met,K-rasなどが知られているが、胃癌症例におけるこれらの遺伝子の発現は低分化腺癌の一部に認められるだけで、胃癌の増殖に特異的に関わる遺伝子は未だ同定されていない。本研究は胃癌の発生、発育に関与する特異的な遺伝子の同定を目的としているが、その方法として接触性発育阻害(contact Inhibition)の消失を指標としたfunctional cloning(機能発現クローニング)法を用いることにより、細胞増殖に関わる遺伝子のみをより確実に同定できるものと思われる。 本年度は臨床材料を用いた遺伝子ライブラリーの作製から始めたが、実験動物や培養細胞を用いるのと違い標本量が限られているため、標的細胞への遺伝子導入効率をいかにして上げるかが課題となった。ベクターウイルスにpolyomaのearly lesionを組み込む等の操作により最終的に1.0x106/ml(ウイルス上清)以上の高力価を実現することができた。このことから少量の臨床検体から作成したライブラリーでも十分なスクリーニングが行うことができると考えられた。上記レトロウイルスベクターを用いて、正常線維芽細胞の接触性発育阻害の消失を指標とした機能発現クローニングを行ったところFGFR、EF-1、TPRCなど既知の癌関連分子の遺伝子をクローニングし得、今回のスクリーニング法は、癌の増殖能に関連する遺伝子のクローニングに適していると判断された。現在、クローニングされた未知の遺伝子の解析を行っている。
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