1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富永 隆治 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70136464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 誉浩 九州大学, 医学部, 助手 (50284500)
森田 茂樹 九州大学, 医学部, 講師 (70243938)
安井 久喬 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20089923)
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Keywords | 急性実験 / 慢性実験 / 人工循環 / 拍動性 / 局所循環調節 / 血管内皮由来 NO |
Research Abstract |
慢性実験に先立ち、大動物での急性実験を行い人工循環の拍動性が局所の循環調節に及ぼす影響について実験を行った。雑種成犬18頭を用い、左心補助人工循環モデルを作成。拍動流、無拍動流での局所循環調節能を検討し以下の結果を得た。1)無拍動流と比較して拍動流では血管内皮由来NO産正量は多く、末梢血管抵抗では低値を示した。またNO産生阻害剤(L-NAME)による末梢血管抵抗増加率は拍動流において有意に高値であった。2)reactive hyperemia(大腿動脈を20秒遮断後し、遮断解放後の血流変化)ではpeak flow(血流の最大値)は差がないものの、hyperemiaの時間、その間の血液量は無拍動流と比較して拍動流で多く、血管内皮由来NOの関与が認められた。3)血流に伴う血管拡張能における血管内皮由来NO合成経路についての解明を行った。erbstatin A(チロシンキナーゼ阻害剤)による末梢血管抵抗増加を認めたものの、calmidazolium(カルモジュリン阻害剤)では末梢血管抵抗増加を認めなかった。従って、血流に伴う血管拡張はカルシウム非依存性の血管内皮由来NO産生経路によって生じるものと考えられた。 ヒト内皮培養細胞を用いたin vitroの実験における内皮細胞のNitric Oxide産生能の報告はあるが、in vivoにおける実験は報告がない。慢性実験に先立ち急性実験にて実験系は確立された。今回の結果をふまえて、慢性実験における更なる実験結果が期待できる。
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Research Products
(1 results)