2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470293
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
倉津 純一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 秀雄 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70244134)
横山 俊一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90191519)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30172612)
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Keywords | グリオーマ / MCP-1 / 血管新生 / マクロファージ / 浸潤 / スタチン |
Research Abstract |
悪性グリオーマは未だ治療困難な脳腫瘍の一つであるが、私達はこれまで分子生物学的手法を用いて悪性グリオーマの病態を検討してきた。悪性グリオーマの生物学的特性の一つが、異常な血管新生を伴うことである。私達はこれまで悪性グリオーマから産生されたケモカインの一つであるmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)によりマクロファージが腫瘍局所に浸潤してくることを明らかにしてきた。さらに昨年度においてグリオーマ組織に血管新生に関与するthymidine phosphorylaseが腫瘍局所に浸潤してきたマクロファージに多く発現していることを明らかにしたが、このことからMCP-1がマクロファージを介してグリオーマの血管新生に関与していると考えられる。このためにMCP-1の生物学的作用を制御する目的でバイオパンニング法を用いて単離した抗ヒトMCP-1抗体に特異的に結合するファージからMCP-1の単球遊走活性を抑制するペプチドモチーフを作成することができた。現在、マウスMCP-1を抑制することが可能なペプチドモチーフを作成中であり、in vivoの研究に展開する予定である。 一方で、グリオーマ細胞の示す浸潤能を制御することもグリオーマの治療に重要である。 今回、新しいHMG-CoA reductase inhibitaseでスタチンの一種であるCerivastatinが継代ヒトグリオーマ細胞に対して細胞接着因子であるインテグリンを介して細胞内情報伝達系に重要な役割を示すfocal adehesion kinase(FAK)のリン酸化を抑制することでグリオーマ細胞の接着性および浸潤能を抑制することを明らかにした。これもさらにin vivoの実験に展開する予定である。
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[Publications] Koji Tanioka: "Biological role of thymidine phosphorylase in human astrocytic tumor"Oncology Report. (in press). (2001)
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[Publications] Masatomo Kaji: "Peptide mimies of monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) with an antagonistic activity"THE JOURNAL OF BIOCHEMISTRY 2001. (in press). (2001)