1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫における微少転移検出および早期化学療法効果判定システムの開発
Project/Area Number |
11470304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀田 哲夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (00272815)
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Keywords | 骨肉腫 / Cbfa1 / Osf2 / 微少転移検出 / PCR-ELISA |
Research Abstract |
骨肉腫は、過去に特異的な腫瘍マーカーが発見されていないため、早期に微少転移を検出したり、化学療法の効果判定を行うための有効な方法がない。一方で近年、骨芽細胞のみに特異的に発現する転写因子Cbfa1/Osf2が発見され、骨芽細胞の分化に必須の因子と考えられている。我々はこれまでに、様々な悪性腫瘍細胞に対して、Cbfa1/Osf2の発現の有無をRT-PCR法により検索した。その結果、悪性腫瘍の中では骨肉腫細胞で特異的に発現していることを確認する事ができた。さらに正常マウス末梢血中にはCbfa1/Osf2 mRNA は検出できないが、マウス骨肉腫転移モデルでは検出できることに注目した。つまり、本来Cbfa1/Osf2は血球系細胞では発現が認められないため、骨肉腫細胞が血管内浸潤し全身を循環している状態を示唆しており、微少転移の検出に使えるのではないかと考えた。現在まで、末梢血中の特定の細胞集団を分離し、さらにCbfa1/Osf2 mRNAをターゲットとすることにより、腫瘍検出感度をどの程度向上させることが可能かを検討した。正常マウスより一定量の末梢血を採取し、その血液に様々な量の骨肉腫細胞を混ぜ、RT-PCRを行い、さらに、PCR-ELISA法を用いることにより、Cbfa1/Osf2 mRNA量を濃度依存的に数値化して表すことができた。今後は、さらなる検出感度の向上を目指すと同時に、ラット骨肉腫肺転移モデルを導入し、実際の末梢血中での検出感度や、化学療法や放射線照射による影響も検討したいと考えている。
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