2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的発現システムを用いた関節軟骨修復-細胞移植と遺伝子導入を用いた組織再生工学による治療-
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11470305
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木村 友厚 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80167379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊道 和雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60272928)
松野 博明 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00219461)
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Keywords | 軟骨 / 修復 / 遺伝子 / コラーゲン |
Research Abstract |
ヒトならびに白色家兎の脛骨骨髄より分離したmesenchymal stem cellあるいはmarrow stromal cell(MSC)を培養して増殖させ,そこへCartilage derived morphogenetic protein(CDMP-1/Gdf-5)遺伝子を導入した.プロモーターには組織特異性のないCMVのものと,われわれがクローニングと機能解析を行った軟骨組織特異的エンハンサーに繋いだものを用いた.コントロールとしてGFP遺伝子のみを繋いだものを使用した.CDMP-1遺伝子発現は,導入後1日目より認められ,2日後に遺伝子導入細胞を回収してコラーゲンゲル内に高密度で包埋し,1)無血清の軟骨分化用defined medium内でのin vitro軟骨分化実験,2)家兎膝関節の軟骨全層欠損モデルへの移植による軟骨修復実験,を行った.まずin vitroでは,導入遺伝子発現は2週間以上にわたって10%以上の細胞で認められた.軟骨分化はCDMP-1遺伝子導入細胞とコントロールのMSC細胞ともに認められ,それはゲル内培養開始後7-10日で明らかとなった.軟骨細胞への分化は免疫組織ならびにRT-PCRによるアグリカンと軟骨型コラーゲンの発現で確認されたが,約80%以上の細胞が軟骨へ分化し,その総細胞数はCDMP-1遺伝子導入群で有意に多かった.一方コントロール群でも軟骨細胞への分化は良好であったが,同時に軟骨分化せずにアポトーシスによって死滅したと見られる細胞も多数存在した.一方,家兎膝関節の軟骨修復実験では,MSC移植により術後4週目までに良好な修復が開始された.またその修復は,短期の観察ではあるがCDMP-1遺伝子導入群でより良好であった.これらの結果は,MSCからの軟骨分化が可能であることを確認するとともに,CDMP-1遺伝子導入が軟骨細胞への分化を促進させ,またその過程で分化せずに細胞がアポトーシスに陥ることを抑制していることを示している.さらにこのようなcell-gene-therapyが関節軟骨修復に有用であることを明らかにしたものである.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yudoh K ほか: "Reduced expression of the regulatory CD4+ T cell subset is related to Th1/Th2 balance and disease severity in rheumatoid arthritis."Arthritis Rheum. 43. 627-617 (2000)
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[Publications] Yudoh K ほか: "Decreased cellular activity and replicative capacity of osteoblastic cells isolated from the periarticular bone of rheumatoid arthritis patients compared with osteoarthritis."Arthritis Rheum. 43. 2178-2188 (2000)
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[Publications] Gejo R ほか: "Magnetic resonance imaging and histologic evidence of postoperative back muscle injury in rats."Spine. 25. 941-946 (2000)
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[Publications] Zhao W-P ほか: "Histochemistry and morphology of the multifidus in lumbar disc herniation."Spine. 25. 2191-2199 (2000)
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[Publications] Kawaguchi Y ほか: "Neurophysiological tests of respiratory function by compound muscle action potentials from the diaphragm.Detection of lesions in the higher cervical cord."J Bone Joint Surg. 82B. 695-701 (2000)
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[Publications] 片山理恵 ほか: "遺伝子導入による軟骨再生."リウマチ科. 24. 41-45 (2000)