1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの臨床応用を目的としたアポトーシス誘導療法-ヒト・モノクローナル抗体療法を用いたRA患者組織移植SCID-HuRAgマウスの解析-
Project/Area Number |
11470306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松野 博明 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (00219461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 伸 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (00124503)
木村 友厚 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80167379)
遊道 和雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60272928)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / SCIDマウス / 滑膜 / アポトーシス / モノクローナル抗体 / 治療 |
Research Abstract |
I.慢性関節リウマチ(RA)滑膜におけるアポトーシスの抑制機構:RAのモデル動物であるコラーゲン誘導関節炎において、滑膜のアポトーシス誘導が不十分であるため滑膜増殖が起こることを確認した。すなわちRAでは滑膜アポトーシスが、その機能を発現しないことが、病因としてかかわっていると推察した。そこで可溶型のFasLに注目しRA患者滑液中のsFasL濃度を測定したところ、RAではOA患者に比し有意に高値であることが証明された。次にsFasLは酵素により産生されることからRA滑液中に多量に存在するMMPsに注目し、RA液中のMMPsとsFasLの濃度の関係を検討したところMMP-3のみがsFasL濃度と相関を示し、またin vitroでFasLのトランスフェクタント細胞であるL517Y8細胞においてsFasLのシェディングを生じたのは活性型のMMP-3のみであったことから、RAの関節内ではMMP-3の働きによりsFasLが産生され、その結果としてアポトーシスが誘導されにくい状況が形成されているものと示唆された。 II.滑膜増殖抑制をターゲットとしたRAのアポトーシス誘導療法:RA滑膜死を誘導するアポトーシス誘導療法は、最も根幹に近い部分で滑膜増殖を根絶する療法の一つと考えられる。そこでRAの動物モデルであるSCID-HuRAgモデルの治療実験によりアポトーシス誘導療法は他に類を見ない治療効果があることを確認したが,抗体を用いたアポトーシス誘導療法では副作用面での危険も危惧された。そこで使用する抗体を従来のIgM型からヒト型化したIgG型に変更したところ、滑膜炎の抑制効果はそのままで副作用が少なくなることが示された。この機序としてヒト化したIgG抗体は,その効力を発現するためにFcγリセプターが必須であることもin vitroの実験から証明された。以上よりヒト化した抗Fas抗体は滑膜炎症性細胞や免疫担当細胞をターゲットとしたアポトーシス誘導療法として臨床応用出来る可能性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Matsuno H., et al.: "Biochemical effect of intraarticular injections of high molecular weight hyaluronate in rheumatoid arthritis patients."Inflamm. Res.. 48. 154-159 (1999)
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[Publications] Yudoh K., et al.: "Different mechanisms of synovial hyperplasia in rheumatoid arthritis and pigmented villonodular synovitis : the role of telomerase activity insynovial proliferation."Arthritis Rheum.. 42・4. 669-677 (1999)
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[Publications] Watanabe Y., et al.: "Activation of Progelatinase B in Synovial Fluids of Patients with Rheumatoid Arthritis with Reference to Stromelysin-1 and Tissue Inhibitor of Matrix Metalloproteinase-1."Clin. Exp. Rheumatol. 17. 401-406 (1999)
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[Publications] Koizumi F., et al.: "Synovitis in rheumatoid arthritis : Scoring of characteristic histopathological features."Pathol Int. 49. 298-304 (1999)
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[Publications] Yudoh K., et al.: "Plasma adrenomodullin in rheumatoid arthritis compared with other rheumatic disease."Arthritis Rheum.. 42・6. 1297-1298 (1999)
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[Publications] Mima T., et al.: "Dominant and shared T cell receptor b chain variable regions of T cells including synovial hyperplasia in rheumatoid arthritis."BBRC. 263. 172-180 (1999)
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[Publications] Matsuno Hiroaki: "Mechanical Loading of Bones Joints (1st. ed.)"Springer, Tokyo. 215-226 (1999)