1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子(BMP-4)の発現調節についての研究-骨形成の促進を目指して-
Project/Area Number |
11470307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
江原 宗平 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (40176780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 耕造 信州大学, 医学部, 講師 (70192680)
二階堂 敏夫 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (50180568)
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
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Keywords | 骨形成因子 / 骨形成 / 転写調節 / helix-loop-helix / E-box / BMP-4 |
Research Abstract |
Bone Morphogenetic Protein(BMP)は軟骨・骨の発生過程で発現し、筋肉内で異所性骨形成を誘導、未分化間葉系細胞や骨髄間質細胞を骨芽細胞に分化させる。BMPの発現を制御できれば骨形成を促進できる。本研究ではBMPの発現制御をBMP遺伝子の転写調節レベルで明らかにする、即ち転写因子結合DNA配列(cis-element)とそこへbindingする転写因子(trans-factor)を同定する、並びにBMPの発現調節を通じて骨形成を促進させることを目的とする。msBMP-4遺伝子のexon1の5'端上流のルシフェラーゼアッセイを用いた解析を行った。転写開始点より-1508bpから-48bpまでの領域にわたるデリーションコンストラクトを用いて転写開始点上流-690bpまでのデリーションにより転写活性が低下する、さらに-266bpまでデリーションすると転写活性はほぼ回復する、さらに-130bpまでのデリーションで転写活性は再び著明に低下する、さらに-48bpまでのデリーションは極めて弱い転写活性の低下を示すことを明らかにした。即ちmsBMP-4の転写領域に転写開始点より-265bpまで、-690bpから-266bpまで、そして-1508bpから-690bpまでの領域の三つのドメインの存在、それぞれ正、負、正の調節領域であることを示す。負の転写調節領域の存在はBMPの発現がサプレッサーによって抑制される可能性を示唆する。転写開始点より-265base pair(bp)から-246bpの領域がmsBMP-4遺伝子の転写に重要なcis-elementを含む、この領域中に転写因子結合配列E-box(CACGTG)が存在する、さらにスパーシフトアッセイ法を用いて、helix-loop-helix型の転写因子の一つであるupstream stimulatory factor(USF)がこのE-boxに結合することを同定した。USFとヘテロダイマーやテトラマーを形成し転写調節をおこなう因子の同定が必要である。また-793bpから-770bpの領域に転写因子結合配列E-box(CACGTG)が存在する、そしてやはりhelix-loop-helix型の転写調節因子が結合する、さらにこのE-boxが細胞特異的な発現調節を行っていることを示した。この両者のE-boxが共同して転写調節を行う可能性がある。即ち神経細胞におけるAchaete scute complex、筋肉細胞への分化におけるMyoDのように骨系細胞においてもhelix-loop-helix型の転写因子がその分化に重要な役割を果たすことを明らかにした。骨系細胞への分化を行う特異的な新規転写因子である可能性があり現在その同定を進めている。
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Research Products
(1 results)