2000 Fiscal Year Annual Research Report
老年性骨粗鬆症原因遺伝子を含むゲノム領域をもつコンジェニックマウス作製
Project/Area Number |
11470308
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坪山 直生 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90261221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 昌則 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00127135)
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Keywords | 骨粗鬆症 / モデル動物 / 遺伝的背景 / QTL解析 / SAM / コンジェニックマウス / ポリジーン |
Research Abstract |
今年度、我々はSAMP6のlow peak bone massに連鎖する第11、13、X各染色体QTL上に変異のあるintervalを一つずつ持つcongenic mouseを作製し、polygene系の遺伝形式であるSAMのシステムをsingle gene系の遺伝形式に変換することに成功した。高骨量系のSAMP2または低骨量系のSAMP6を連続7回戻し交配することによりcongenic mouseを作製し、第11、13、X各染色体で一つのSAMP6のintervalを持ちbackgroundがSAMP2である系統を各々P2.P6-pbd1a、P2.P6-pbd2a、P2.P6-pbd3aとし、逆にSAMP2のintervalを持ちbackgroundがSAMP6である系統を各々P6.P2-pbd1b、P6.P2-pbd2b、P6.P2-pbd3bと名付けた。backgroundにcontaminationのないことを確認し、当該染色体のgenotypingおよびMD(microdensitometry)、DEXA(dual energy X-ray absorptiometry)、pQCT(peripheral quantitative computed tomography)にて骨密度測定を行った。P2.P6-pbd1a、P2.P6-pbd2aではSAMP6のintervalが各々48cM、15cM挿入されており、background系統であるSAMP2より有意に低骨密度であった。また、P6.P2-pbd1b、P6.P2-pbd2bではSAMP2のintervalが各々32cM、15cM挿入されており、background系統であるSAMP6より有意に高骨密度であった。特にP6.P2-pbd2bでは、DEXAで測定した全身骨密度もSAMP6より有意に高値であり、第13染色体ではQTLの効果は全身性であることが示唆された。これらの結果から原因遺伝子が第11及び13染色体のQTL上に存在することが証明された。他の系統は個体数が揃い次第、骨密度測定を開始する。また、SAMは、現在13系統からなるrecombinant-like inbred strainであるが、最低骨量系統であるSAMP6は第11染色体で他の系統と異なった特異的なマイクロサテライトマーカーハプロタイプを示し、mutationの存在の可能性がが示唆された。また、最大の骨量系統であるSAMP1、SAMP2、SAMP8は第13染色体上で、同一のハプロタイプを示し、高骨量と関係する多型の存在の可能性を示唆し、congenic mouseの結果を裏付けた。最終的にはpeak bone densityを制御する遺伝子そのものを単離することが目標であり、現在further studyを計画中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 清水基行,坪山直生,松下睦,細川昌則 他: "老化促進モデルマウスSAMを用いた骨量制御遺伝子座の解析"Osteoporosis Japan.. 8(1). 248-250 (2000)
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[Publications] 清水基行,坪山直生,松下睦,細川昌則 他: "老化促進モデルマウスSAMを用いた第11骨量制御遺伝子座の解析"Osteoporosis Japan. 9(2)(in press). (2000)