2001 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨全層欠損の修復過程における遺伝子発現の変化を追う
Project/Area Number |
11470310
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
高田 晃平 島根医科大学, 医学部, 助教授 (50093604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 哲也 島根医科大学, 医学部, 助手 (00243436)
内尾 祐司 島根医科大学, 医学部, 講師 (20223547)
越智 光夫 島根医科大学, 医学部, 教授 (70177244)
安達 伸生 島根医科大学, 医学部, 助手 (30294383)
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Keywords | 間接軟骨 / 軟骨欠損 / 軟骨修復 / 動物モデル / 軟骨細胞移植 / 遺伝子発現 / II型コラーゲン / アグリカン |
Research Abstract |
1,ラット胎児軟骨損傷におけるc-fos遺伝子の発現 胎児,成人ラットの膝関節に半層軟骨損傷を作製しRT-PCRを用いて創傷治癒の早期発現遺伝子であるc-fosのmRNAの時間的発現,in situ hybridization(ISH)を用いて空間的発現を比較,検討した.生後12週齢の成熟Wister系ラットの妊娠母獣を用い,子宮内より胎児の後肢を大腿部まで引き出し膝関節の荷重部の軟骨面に半層欠損を作製した.成熟Wister系ラット膝関節の荷重部軟骨面にも半層欠損を作製した,術後経時的にそれぞれ損傷させた膝関節を摘出し,関節軟骨のtotalRNAを抽出後RT-PCRにてc-fos遺伝子発現を調べ損傷群,非損傷群両群で比較、検討を行った.またISHを用いて関節軟骨におけるc-fosのmRNAの発現と局在を両群で比較、検討を行った.RT-PCRでは胎児でc-fosの発現が損傷群でのみ受傷後、1時間で認められ,12時間後には元のレベルまで下がっていた.成人では損傷群でc-fosの発現は認められなかった.ISHでは胎児でのみそれぞれRT-PCRでの発現時間に対応して損傷群でのみ損傷部位の周囲の軟骨細胞にc-fosのmRNAの発現が認められた. 2,ラット関節軟骨におけるThioredoxin(TRX)の発現 ラット膝関節軟骨損傷におけるTRXmRNAの発現を検討した.週齢約4週(体重約150g)のWister系雄ラットを用いた.膝関節面に軟骨下骨に達する軟骨損傷を作製し,ISHで正常群,損傷群の関節軟骨におけるTRXmRNAの発現と局在を検討,比較した.ISHによってほとんどの関節軟骨細胞にTRXmRNAの発現を認めた.表層の細胞のほうが深層の細胞に比べて発現が強かった損傷群では1週から4週の間に軟骨損傷部が線維様細胞で充填されていたが,この部位の細胞にはTRXmRNAの発現を認めなかった.しかし損傷周囲の軟骨細胞は損傷部から離れた正常軟骨細胞と比較してTRXの発現が強くなっていた,損傷部を含む関節軟骨から抽出した全RNAを鋳型としたRT-PCRでは,正常群と差を認めなかった.
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