1999 Fiscal Year Annual Research Report
非ウイルスベクターを用いた関節疾患に対する遺伝子治療の研究
Project/Area Number |
11470314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20178031)
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Keywords | 非ウイルスベクター / plasmidベクター / 遺伝子治療 / cationic polvmer / 遺伝子治療 / 関節疾患 |
Research Abstract |
致死的でない軟骨疾患に対する遺伝子治療では高い導入効率とともに、より確実な安全性が優先される。ウイルスベクターに対し、非ウイルスベクター法は安全性に優れた遺伝子導入法である。本研究の目的は、関節疾患に対する非ウイルスベクター法を用いた新しい遺伝子導入法を開発することである。3種類のcationic polymerすなわちpolyamidoamine(PAMAM)dendrimer、linear polyethylenimine(PEI)およびbranched PEIを用いて軟骨細胞に遺伝子導入を行い、その有用性を比較検討した。大腸菌由来β-galactosidase遺伝子(LacZ)を組み込んだplasmidとcatiomnic polymerを種々の濃度比で混入した。生じた複合体を用いてヒト軟骨細胞様細胞株(HCS-2/8)に対し、遺伝導入を行った。導入3日後に導入遺伝子の発現をX-gal染色およびONPG法を用いて評価した。β-gal assayの結果、各cationic polymerについて、pSES.β2μgに対し、PAMAM dendrimer 21μg、linear PEI1.7μg、branched PEI2.0μgを用いた際の導入効率が最も高率であった。この時、X-gal染色においても最も多くの細胞が青染し、その率はそれぞれ全体の31%、30%、8%であった。トリパンブルー染色により確認した細胞障害性および細胞の形態学的変化は、いずれの濃度においても認めなかった。本実験の結果より、非ウイルスベクター法としてPAMAM dendrimerおよびlinear PEIは関節疾患に対する遺伝子治療において応用可能な遺伝子導入法であることが判明した。今後、これら非ウイルスベクターを用いた遺伝子導入法を、in vivoに対して応用を行っていく予定である。
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