1999 Fiscal Year Annual Research Report
不動・非荷重による骨量減少における骨動態の変化と骨髄細胞の分化異常の解明
Project/Area Number |
11470315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 講師 (90248576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴上 浩 産業医科大学, 医学部, 講師 (70299618)
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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Keywords | 不動 / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 / 骨髄細胞 / 副甲状腺ホルモン / RANKL / 形態計測 / マウス |
Research Abstract |
不動により骨量が減少する機序のひとつとして、PTH/PTHrPのシグナルが亢進し、破骨細胞形成が促進されるという仮説をたてた。この仮説を検証するために、不動化した骨の骨髄間質細胞の破骨細胞様細胞の形成能とPTHrp、PTH/PTHrp、RANKL、OPG遺伝子の発現を調べた。8週齢の雄性、C57BL/6Jマウスを用いた。右後肢の坐骨神経を切除することにより不動化モデルを作成した(Nx群)。反対側の左後肢は神経を同定するだけの偽手術とした(Sham群)。脛骨近位二次海綿骨で骨形態計測を行った結果、海綿骨量と骨形成率は、Nx後2週以降で低下した。破骨細胞数は、Nx後2週で増加した。脛骨骨髄細胞を培養した結果、骨髄接着細胞数は、Nx後2週で減少していた。Nx後2週の骨髄間質細胞から形成される破骨細胞様細胞数は、培養液にPTHを添加した状態下で、有意に増加していた。この増加は、1,25(OH)2D3やPGE2の添加した状態下では見られなかった。Nx群では、処置後1週で、無処置群と比べて、骨髄間質細胞におけるPTHrp遺伝子の発現量は、4.1倍、PTH/PTHrp receptor2.7倍、RANKL2.9倍(いずれもp<0.05)、OPG2.7倍と増加していた。VDR遺伝子の発現量は変化がなかった。 副甲状腺を摘出することで、不動化による破骨細胞増加が抑制されるin vitroでの事実と、今年度の実験の結果は、骨の不動化状態では、骨髄間質細胞において、局所的にPTH/PTHrpシグナル伝達が亢進し、RANKLを介して破骨細胞形成が促進されている可能性を示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akinori Sakai: "Mechanical Loading of Bones and Joints"Springer-Verlag Tokyo. 324 (1999)
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[Publications] Toshitaka Nakamura: "Mechanical Loading of Bones and Joints"Springer-Verlag Tokyo. 324 (1999)