2001 Fiscal Year Annual Research Report
微小(抵抗・容量)血管における膜抵抗、膜電流、EDHFに対する麻酔薬の作用機序-正常圧および高血圧モデルを用いて-
Project/Area Number |
11470319
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山崎 光章 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70158145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 保 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (90237503)
渋谷 伸子 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40178926)
畠山 登 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70251907)
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Keywords | 血管平滑筋 / 膜電位 / プロポフォール / L-NAME / NO-cGMP系 |
Research Abstract |
本研究では、麻酔薬投与前後のラット腸管膜動・静脈の膜電位をin situにて測定することにより、抵抗および容量血管に対する麻酔薬の作用機序について検討することを基本的な研究目的とした。今年度は,血管平滑筋弛緩作用に重要な役割を果たしているNO-cGMP系が静脈麻酔薬であるプロポフォールによる血管平滑筋過分極作用(前年度において既に報告)に関与しているかどうかについて検討した。 雄SDラットに麻酔後、実体顕微鏡のチャンバー上で腸管膜動・静脈を剥離、固定し、physiological salt solutionを灌流した。6-hydroxydopamineを投与し交感神経の除神経を行った。その後、ガラス管微小電極を腸管膜動・静脈壁にそれぞれ5秒間以上5回刺入し、膜電位を測定した(pre値)。その後NO合成阻害剤であるニトロ-L-アルギニン(L-NAME)を適用(L-NAME値)、洗浄後大腿静脈よりプロポフォールを30mg/kg/hの濃度で持続注入し(propofol値),再度L-NAME(propofol+L-NAME値)を適用し膜電位を測定した。 脱神経後の腸管膜動・静脈の静止膜電位(pre値)はそれぞれ-37, 7±1.7mV、-38.1±1.4mVであった。L-NAMEは膜電位を有意に脱分極させた(vs pre値)。プロポフォールは膜電位を有意に過分極させたが(vs pre値)、L-NAMEはこのプロポフォールによる過分極を動・静脈ともに有意に抑制した(vs propofol値)。これらの結果から、プロポフォールによる血管平滑筋の過分極にNO-cGMP系が関与することが推察された。
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Research Products
(1 results)