1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00257841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 浩司 塩野義製薬新薬研究所, 薬理評価部門, 研究員
榎本 詩子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00278516)
原 直樹 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60298768)
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Keywords | アロディニア / プロスタグランジン / ノシセプチン / ノシスタチン / カプサイシン / NMDA / ノックアウトマウス / 痛覚過敏反応 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)によるアロディニアの発現機構 痛みを末梢受容器から中枢神経系に伝える一次求心性線維は、Aδ線維とC線維がある。正常な状態では、触覚刺激を伝達するAβ線維は痛覚伝導に関与しない。我々は、マウス髄腔内にPGE_2またはPGF_<2α>を投与後、軽い触覚刺激を加えるとアロディニアが引き起こされることを以前報告したが、今回PGによるアロディニアの発現機構を検討し以下の知見を得た。 1)カプサイシン処置マウスおよびモルヒネを用いた実験、電気生理学的アプローチにより、PGE_2はC線維を、PGF_<2α>はAβ線維を介してアロディニアを惹起することを明らかにした。 2)NMDA受容体ε1およびε4サブユニット欠損マウスを用いた実験から、PGE_2によるアロディニアは、NMDA受容体ε1サブユニットを、PGF_<2α>によるアロディニアは、NMDA受容体ε4サブユニットを介して発現することを明らかにした。 3)PGD_2の合成酵素欠損マウスを用いた実験から、PGE_2によるアロディニアの発現にPGD_2が調節物質として重要な役割を果たしていること、極僅かなPGD_2は正常な状態でも産生されている可能性を明らかにした。 ノシセプチンおよびノシスタチンによる痛覚修飾作用 1)ノシセプチンによるアロディニアおよび痛覚過敏反応は共にC線維が関与する反応であり、ノシセプチンによるアロディニアは、NMDA受容体ε1サブタイプを、痛覚過敏反応は、サブスタンスP受容体を介して出現する。 2〉ノシスタチンは、PGおよびノシセプチンによるアロディニアを抑制するだけでなく、ホルマリンテストも抑制する。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Eguchi,N.,et al.: "Lack of tactile pain(allodynia)in lipocalin-type prostaglandin D synthase-deficient mice"Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 96. 726-730 (1999)
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[Publications] Minami.T.,et al.: "Involvement of primary afferent C-fibers in touch-evoked pain(allodynia)induced by prostaglandin E_2"Eur.J.Neurosci.. 11. 1849-1856 (1999)
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[Publications] Nakano,H.,et al.: "Effect of intrathecal nocistatin on the formalin-induced pain in mice versus that of nociceptin/orphanin FQ"J.Pharmacol.Exp.Ther.. 292. 331-336 (2000)
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[Publications] Minami.T.,et al.: "Characterization of nociceptin/orphanin FQ-induced pain responses in conscious miceineonatal capsaicin treatment and NMDA receptor GluRE subunit knockout"Neuroscience. (印刷中).
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[Publications] Ito.S.,et al.: "Chentral roles of nociceptin/osphanin FQ and nocistatin : allodynia as a model of neural plasticity"Prog.Brain Res.. (印刷中).
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[Publications] 伊藤 誠二、他: "痛みの生化学"生化学. 71. 17-33 (1999)
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[Publications] 南 敏明、他: "難治性疼痛とノシセプチンおよびノシスタチン"血液・腫瘍科. 38. 53-60 (1999)
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[Publications] 南 敏明、他: "ミニレビュー アロディニアとそのメカニズム"CLINICAL NEUROSCIENCE. 17. 109 (1999)
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[Publications] 伊藤 誠二、他: "一酸化窒素の光と影"救命救急. (印刷中).
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[Publications] 南 敏明、他: "痛みの伝達機構"臨床麻酔. (印刷中).
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[Publications] 伊藤 誠二、他: "プロスタグランジンと痛覚修飾"医学のあゆみ. (印刷中).
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[Publications] 南 敏明: "慢性疼痛の発現機構"大阪医学. (印刷中).