2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470331
|
Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
藤田 喜久 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 寿美子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90278945)
木村 健一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90214874)
|
Keywords | 微小循環 / 網膜 / 蛍光顕微鏡 / 虚血 / 再灌流 / 麻酔薬 / ハロセン / プロポフォール |
Research Abstract |
研究の目的は、虚血-再灌流後臓器障害の増悪の因子としての高血糖役割を微小循環障害の観点からそれを明らかにすることにあった。その目的を達成するために、両側頚動脈を結紮したダッチウサギを対象として、走査型レーザ眼底鏡(SLO)を用いて、網膜微小循環を観察すした。 動物をケタミンの静脈内投与により前麻酔を行った。実験中の麻酔の維持はプロポフォールまたはハロセンにより行った。動脈圧の測定と静脈路確保の目的で、それぞれ大腿動脈と大腿静脈にカテーテルを留置した。 1.まず基準麻酔(プロポフォール 36mg/kg/hr、ハロセン吸入濃度 1%)SLOにより観察下にfluorescein Na 2mgの静脈内投与により、網膜微小血管の観察と微小血流の測定を行う。fluorescein Naの蛍光曲線より血管径、平均循環時間(血流速度)を計測することにより、網膜血流量を求めた。光刺激誘発網電図(ERG)の記録と眼圧の測定を行った。 2.ついで麻酔薬の投与速度を多くして動脈圧を40mmHgとして、深麻酔により網膜を60分間虚血して、同様に測定を行った。 3.再び麻酔薬濃度を基準麻酔として60分間維持し、同様に測定を繰り返した。 ハロセン、プロポフォールのいずれにおいても、深麻酔では網膜虚血を反映してERGのb-波の振幅はで50〜60%に低下した。しかし再び麻酔薬深度を基準麻酔とすることにより、初期値に回復した。 深麻酔中に低下していた網膜血流量は、麻酔薬深度を基準麻酔とすることによりプロポフォールでは回復したが、ハロセンでは低下が続いた。また眼内圧もプロポフォールでは低値であった。両者の麻酔薬で網膜機能(神経保護作用)には差がなかったが、微小循環および眼内圧についてみるとプロポフォールは優れていると考えられる。
|