1999 Fiscal Year Annual Research Report
精巣における低温ショック蛋白質の機能と臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
11470335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50173430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東辻 宏明 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60281094)
伊藤 克彦 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90281097)
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Keywords | 精巣 / ストレス / 低温ショック蛋白質 / 不妊 |
Research Abstract |
哺乳類精子形成細胞の分化は、セルトリ細胞との細胞間相互作用により制御され、分化段階に応じて厳密な遺伝子発現のコントロールがなされている。また、精子形成細胞は体温よりも低い温度に保たれないと死滅する特異な性質をもっており、停留精巣や静脈瘤でみられる不妊症は高温環境が一因と考えられている。そこで、低温ショック蛋白質の変化と男性不妊症との関連を中心に解析した。 1.マウスの低温ショック蛋白質RBM3をクローニングし、精巣ではセルトリ細胞に発現しており実験的停留精巣では発現が低下することから、精子形成に重要な働きをしている可能性が示された。今後臨床例で解析を続ける。 2.低温ショック蛋白質CIRPに結合するRNAを解析するため、in vitroの結合解析系を確立した。 3.CIRPの低温による発現誘導を制御する遺伝子の領域を決定した。制御蛋白を同定中である。 4.CIRP遺伝子を欠失したノックアウトマウスの作製開始。129マウスDNAライブラリーからCIRPゲノム遺伝子をクローニングして、ノックアウトマウス作製用ベクターに組み込んだ。ES細胞の相同組み替え細胞からキメラマウスを作製中である。 5.CIRPが正常ラットの脳神経細胞で発現していること、一過性脳虚血や過酸化水素で発現が低下することを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura K.: "Rhophilin, a small GTPase Rho-binding protein, is abundantly expressed in the mouse testis and localized in the principal piece of sperm tail"FEBS Letters. 445. 9-13 (1999)
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[Publications] Danno S.: "Efficient gene transfer by hybrid retroviral vectors to murine spermatogenic cells"Human Gene Therapy. 10. 1819-1831 (1999)
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[Publications] Xne,J.-H.: "Effects of ischemia and H_2O_2 on the cold stress protein cirp expression in rat neuronal cells"Free Radical Biology and Medicine. 27. 1238-1244 (1999)
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[Publications] Nonoguchi K.: "Cloning of human cDNAs for Apg-1 and Apg-2 members of the Hsp 110 family and chromosomal assignment of their genes"Gene. 237. 21-28 (1999)
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[Publications] Tokuchi H.: "Expression of protein tyrosine phosphatase PTP-RL10 and its isoform in the mouse testis"International Journal of Urology. 6. 572-577 (1999)
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[Publications] Danno S.: "Decreased expression of mouse rbm3, a cold shock protein in Sertoli cells of cryptorchid testis"American Journal of Pathology. (印刷中). (2000)