1999 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石におけるオステオポンチンアンチセンスによる遺伝子治療についての基礎的研究
Project/Area Number |
11470340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30122047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40264733)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (40238134)
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50225869)
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Keywords | 尿路結石症 / オステオポンチン / 遺伝子治療 / アンチセンス / 細胞接着 / 遺伝子導入 / リポフェクション |
Research Abstract |
結石マトリクスとして結石形成に重要な役割を担うオステオポンチンを遺伝子治療の標的とすべくin vitroおよびin vivoの両者で検討した。 ほぼ全長に渡るオステオポンチンcDNAをRT-PCR法を用いて作製し、真核細胞発現ベクターにantisense mRNAが発現するように組み込み、サブクローニングした。腎尿細管細胞にオステオポンチンantisense mRNA発現ベクターをtransfectoionしstable発現細胞を確立した。尿路結石のstepの一つであると考えられる蓚酸カルシウム結晶の細胞への付着を検討した。オステオポンチンantisense mRNAの発現、mRNAの発現はNorthern blottingで、オステオポンチン蛋白の発現はWestern blottingで行った。細胞と結晶の付着は走査電子顕微鏡を使って行った。in vitroの結晶付着実験でオステオポンチン antisense RNA安定発現細胞ではオステオポンチンの発現が低下し、結石形成過程のステップの一つであるシュウ酸カルシウム結晶の細胞への付着が抑制されていることを電子顕微鏡的に証明した。オステオポンチンの発現が結石形成の初期段階である、結晶の細胞への付着に重要であることを確認した。 antisenseオステオポンチン発現ベクターをリポフェクション試薬と混合して結石モデルラット腎に注入して結石形成とオステオポンチン発現を検討した。オステオポンチンantisense mRNA発現ベクターを結石モデルラット腎に直接注入しliposomeをもちいた遺伝子導入を試みた。注入部周囲にantisense mRNA発現がみられ、sense mRNA発現が抑制されるのをin situ hybridizationを用いて明らかにした。結石形成も抑制される傾向にあった。 結石の遺伝子治療の可能性が示唆され、オステオポンチンがその標的遺伝子となりうることを示唆するものであった。
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