1999 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋内皮依存性過分極反応に対するエストロゲンの影響に関する研究
Project/Area Number |
11470342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (40260393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒔田 直昌 北海道大学, 医学部, 助手 (00312356)
藤本 征一郎 北海道大学, 医学部, 教授 (60001898)
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
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Keywords | 内皮由来過分極因子 / カリウムチャネル / ラット / 腸間脈動脈 / 静止膜電位 / エストロゲン / 卵巣摘出 / コネキシン |
Research Abstract |
第三の内皮由来血管弛緩因子として内皮由来過分極因子(EDHF)があり、特に末梢血管において平滑筋のKチャネルを開口により拡張を惹起し、血圧調節や血流制御に重要な機能を担っている。われわれは、40週令の高齢ラットにおいて腸間膜動脈の平滑筋膜電位とEDHFの作用を検索し、エストロゲンが平滑筋膜電位に影響を及ぼし、血管をより弛緩し易い状態としていることを見いだした。本研究では、以上の結果をふまえ、まずラット腸間膜動脈を用い、その機序を明らかとすることを目的とする。 1.Wistarラットを用い、卵巣摘出群、卵巣摘出後エストロゲン補充群、sham operation群を用意し、1カ月後に腸間膜動脈を摘出した。平滑筋静止膜電位およびアセチルコリンによる膜過分極を測定し、エストロゲンが静止膜電位保持およびEDHF機能発現に重要であることを確認した。エストロゲンの急性効果の有無を確認したところ、急性効果はなく、その作用は遺伝子発現を介したものであることが示唆された(研究代表者佐久間、研究分担者藤本)。 2.上記Wistarラットにおいて、腸間膜動脈から平滑筋細胞の単離し、平滑筋細胞膜のパッチクランプ法により、平滑筋細胞に存在するKチャネルの種類を同定し、エストロゲン存在の有無による影響を検討したところ、3種類のKチャネルの存在が確認され、そのいずれもエストロゲンの有無により機能に変化は生じていなかった(研究分担者當瀬、蒔田)。 3.妊娠によりエストロゲンが増加すると細胞間のギャップジャンクション(コネキシン)が増加し、細胞間の電気伝導性が良くなるという報告があるので、Wistarラットの卵巣摘出群、sham operation群で腸間膜動脈のコネキシン43を染色したところ、卵巣摘出群では染色性の低下が認められた(研究代表者佐久間)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Atsushi Sato, et al.: "Effect of prolonged treatment with amlodipine on enhanced vascular contractility in cardiomyopathic hamsters"J. Cardiovascl. Pharmacol.. 34(1). 124-131 (1999)
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[Publications] Hiroshi Tomioka, et al.: "Relaxation in different-sized rat blood vessels mediated by endothelium-derived hyperpolarizing factor : Importance of processes mediating precontractions"J. Vascl. Res.. 36. 311-320 (1999)
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[Publications] Daisuke Goto, et al.: "Long-term blockade of nitric oxide synthesis in rats modulates coronary capillary network remodeling"Angiogenesis. 3. 137-146 (2000)
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[Publications] 佐久間一郎: "EDHF"医学のあゆみ. 189(9). 6048-6053 (1999)
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[Publications] 大内尉義 ほか: "高齢女性の健康増進のためのホルモン補充療法"GEONTOROGY. 11(3). 208-222 (1999)
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[Publications] 佐久間一郎: "高齢女性の健康を守るホルモン補充療法"Geriatric Medicine. 38(2). 201-206 (1999)
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[Publications] Ichiro Sakuma, et al.: "Endothelium-Dependent Hyperpolarizations"Harwood Academic Publishers, Amsterdam. 331-333 (1999)