1999 Fiscal Year Annual Research Report
胎児慢性低酸素環境下における子宮外循環補助システムの研究
Project/Area Number |
11470351
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 章 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30004948)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 敏昭 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00254011)
高梨子 篤浩 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80305367)
藤森 敬也 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80285030)
|
Keywords | Extracorporeal membrane oxygenation / 羊胎仔 / 低酸素 / (ECMO) |
Research Abstract |
「目的」 慢性胎児低酸素血症にあると考えられている子宮内胎児発育遅延胎児のoxygenation改善を目的に、子宮外でExtracorporeal membrane oxygenation(ECMO)を使用し、胎児低酸素血症を改善できるかどうかを検討した。 「方法」 妊娠127日前後の妊娠羊をケタミン麻酔下に胎仔を取り出し、胎仔頚静脈経由にて右心房内にダブルルーメンカテーテルを挿入した。当初、MEDCOMP社製HEMO-CATH・10Fr.とargyle社製ヘモフィルトレーションカテーテル・12Fr.を用いたが、十分な血液が得られなかったり、カテーテルが硬すぎて心筋を突き抜け、心タンポナーデを起こし胎児死亡を起こした。しかし、Bard Access System社製Leonard 12 Fr.Dual Lumen CV Catheterと、頚動脈内に同社製6.6Fr.Dual Lumen CV Catheterを使用するようになってから、実験可能となった。母獣に留置した気管内カテーテルより窒素ガスを流入させ、胎仔動脈血酸素分圧をおよそ25mmHgから15mmHgに低下させ、胎仔を1時間の低酸素状態においた後、子宮外循環補助システムを作動させた。右心房から脱血しoxygenation後、頚動脈に送血するV-A ECMOを30分間作動させ、その次に、右心房から脱血しoxygenation後、右心房内に送血するV-V ECMOを30分間作動させた。 「結果」 どちらの方法も、50〜60ml/minの血流を得ることが可能であった。 酸素分圧(mmHg) 実験開始前 低酸素刺激中 V-A ECMO V-V ECMO 頚動脈頭側 24.4 15.7 26.5 21.9 頚静脈頭側 18.4 10.7 21.9 16.5 腋窩動脈 23.2 15.0 24.3 19.9 「結論」 V-A ECMOおよびV-V ECMOのどちらも、胎児低酸素血症を改善することが可能であった。V-V ECMOはre-circulationの問題も残るが、より侵襲が少ない方法であり更なる検討が必要であると考えられた。また、より多い血流を得る工夫も必要であると考えられた。来年度は実験数を増やし検討する。
|