1999 Fiscal Year Annual Research Report
新生血行による血管柄付き骨・骨膜移植術確立のための微小循環動態の解明
Project/Area Number |
11470374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
米原 啓之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (00251299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市岡 滋 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60306272)
高戸 毅 東京大学, 医学部, 教授 (90171454)
中塚 貴志 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80198134)
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Keywords | 骨 / 骨膜 / 血管 / 骨移植 / 骨膜移植 / 新生血行 / 骨再生 / 微小循環 |
Research Abstract |
骨移植や骨膜からの骨新生においては血行の状態が大きく影響し、その再建の成否について血行動態の解析が重要と考えられる。現在までに血管柄付き骨・骨膜移植においては、遊離骨・骨膜移植に比べ、良好な骨形成が認められることが証明されている。また近年、血管柄を移植を行う組織の近傍に予め移行して、移植組織に新たな血行を獲得させたうえで移植を行うprefabricated flapも臨床で応用されている。血管柄付き骨・骨膜移植において血行動態の詳細を解明することにより、血管柄付き骨・骨膜移植やprefabricated flapによる骨・骨膜移植が確実に行えるような移植条件が確立され、移植骨・骨膜からの骨形成を有効に行うと同時により侵襲の少ない組織移植が可能となる。今回の研究では、血管柄付き骨膜からの骨再生過程について血行動態の変化や新生血管について観察を行うとともに、この結果をもとにprefabricated flapを骨膜の血管柄付き移植に応用することを目的としている。 平成11年度の研究では、従来行われている血管柄付き骨膜移植のモデルとして、実験動物の下腿に作成した血管柄付き骨膜を作成し、その骨膜より再生される骨の状態を観察を行っている。この結果、骨膜からは術後2週目には骨再生がX線像において確認された。この再生された骨を組織標本として観察し、骨再生過程の組織学的検討も行っている。また、血管造影により移植骨膜および新生骨の血行状態について形態的な観察を行っている。さらに、骨再生過程における新生血行について定量的な検討も行っている。この血管柄付き骨膜移植の実験結果をふまえて、prefabricated血管柄付き骨膜移植モデルを作成している。実験動物下肢に血管柄直下に骨膜を含む組織を移植し、移植後に再生される骨の状態を経時的に観察をX線撮影および血管造影により行い、骨形成時期および形成量の評価、新生血行の形態的観察を行っている。また、組織標本を作製し、組織学的変化の観察および血管新生についての定量的検討を行っている。
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