2000 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis線毛の機能活性部位の同定とその応用に関する研究
Project/Area Number |
11470380
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
花澤 重正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60060258)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 助手 (70236454)
塩田 進 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (00150467)
天野 滋 明海大学, 歯学部, 助教授 (90167958)
|
Keywords | 成人性歯周病 / 線毛 / 遺伝子組換え / マクロファージ / サイトカイン / 活性部位 / 遺伝子発現 / 骨吸収 |
Research Abstract |
私共は、P.gingivalis線毛が歯周組織に付着し炎症性サイトカイン産生を誘導することを既にいくつかの論文で報告している。さらに、私共は、本線毛のマクロファージ細胞レセプターがbeta2インテグリンであることを、また、このレセプターを介して炎症性サイトカイン産生を誘導することを明らかにしている。故に、本細菌線毛の組織付着や炎症性サイトカイン産生を誘導を担うその構造の活性領域について詳細に検討することは成人性歯周病の発症と成立機構を詳細に検討することは意義あることと考える。そこで、レセプターや結合蛋白を簡便に検索できる遺伝子組換え型融合蛋白のとその変異体を作製し、(1)細胞への付着活性部位、(2)beta2インテグリンの結合とサイトカイン誘導能の活性部位の検索、(3)マウスを用い、骨吸収刺激作用などを調べた。 その結果、私共は、可溶性遺伝子組換え型の本細菌線毛を作製することができた。この遺伝子組換え型線毛は分子量43、000のモノマーであり、マクロファージや歯肉線維芽細胞への付着能を有していた。本線毛はマクロファージのbeta2インテグリンを介して結合することが確認できた。また、マクロファージの炎症性サイトカイン産生誘導能を調べたところ、明らかな活性を有していること、さらに、その誘導能に関する本線毛の活性部位はC-末端側のある一定の領域にあることがその変異体線毛を用いて示唆することができた。一方、この線毛ならびに変異体を用い、マウス骨吸収刺激作用を調べたところ、強い活性が認められ、その活性はNative線毛の約20倍の比活性を示した。また、その活性は炎症性サイトカイン産生誘導能の活性部位と同様にC-末端側にあることが示された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 花澤重正: "歯周疾患と生活習慣"CLINICAL CALCIUM. 11,(3)(印刷中). (2001)
-
[Publications] Iwahashi H. et.al: "Prostaglandin E2 stimulates AP-1-mediated CD14 expression in mouse macrophages via cyclic AMP-dependent protein.kinase A."J.Immunol.. 164(10). 5403-5408 (2000)
-
[Publications] Imai K. et.al: "Transforming growth factor-beta inhibits lipopolysaccharide-stimulated expression of inflammatory cytokines in mouse macrophages through downregulation of activation protein 1 and CD14 receptor expression."Infect.Immun.. 68(5). 2418-2423 (2000)
-
[Publications] 花澤重正: "歯周病原性細菌による骨吸収活性化因子の誘導"歯周病の最前線(奥田克爾 他編集). 196-201 (2000)
-
[Publications] 花澤重正 他: "歯周病原細菌と骨吸収"歯周病:新しい治療を求めて. 342-349 (2000)