2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝系を基盤とした薬効の日内リズム発現機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11470387
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯谷 美重 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80271914)
林 治秀 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90107293)
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Keywords | サーカディアンリズム / 骨代謝 / 骨吸収 / 骨形成 / ラット / ビスホスホネート / カルシトニン |
Research Abstract |
平成13年度における研究実績は以下の通りである。 (1)骨芽細胞および象牙芽細胞の基質合成・分泌活性のサーカディアンリズムの時間構造を知る目的で、一定量の^3H-プロリン(コラーゲンの主要構成アミノ酸)および^3H-ガラクトース(軟骨および骨基質プロテオグリカンの主要な構成糖の一つ)を一日の様々な時間帯にラットに投与し、骨芽細胞(脛骨、頭頂骨縫合部)、象牙芽細胞(上顎切歯)、軟骨細胞(下顎頭軟骨)中に取り込まれるアイソトープ量をオートラジオグラフィーによって検索した。その結果、いずれの細胞においても、明期(休息期)の中期に最高となり暗期の中期に最低となるサーカディアンリズムを観測した。 (2)歯科矯正学的な観点から、矯正力に対する歯周組織の反応性が、矯正力を加える時間帯の違いによって異なるか否かについてラットを用いて検索した。その結果、骨吸収を伴う歯の移動、骨・軟骨形成の抑制を伴う顎矯正装置の適用のいずれもが、この動物の活動期にあたる暗期よりも、休息期にあたる明期において効果的であることが確認された。 (3)象牙質形成のサーカディアンリズムは、哺乳類動物においてサーカディアンリズムの中枢機構と考えられている視床下部の視交叉上核の破壊によって消失することがラットを用いた実験によって確認された。
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[Publications] K.Miyoshi, K.Igarashi, S.Saeki, H.Shinoda, H.Mitani: "Tooth movement and changes in periodontal tissue response to orthodontic force in rats vary depending on the time of dry the force is applied"European Journal of Orthodontics. 23巻. 329-338 (2001)
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[Publications] M.Ohtsuki-Isoya, H.Hayashi, H.Shinoda: "Effect of suprachiasnatic nucleus lesion on circadian dentin increments"American Journal of Physiology. 80巻5号. 1364-1370 (2001)
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[Publications] 篠田壽、稲葉雅章、森井浩世: "ビスホスホネートと骨疾患"医学ジャーナル社(東京、大阪). 245 (2001)