2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470410
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 貴生 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90002229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 究 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90312371)
高山 芳幸 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30236369)
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Keywords | 多点時系列解析 / 咀嚼運動 / 下顔面皮膚の運動 / 運動の巧緻性 |
Research Abstract |
前年度、研究代表者らが開発した3次元多点時系列解析システムに改良を加え、今年度の研究結果を報告してきたが、今年度さらにUnixからWindowsへの変換、および測定点を黒点から白点の輝度の認識に改善した。これによって、黒点を認識する作業に比較してよりリアルタイムに計算できるようになった。 咀嚼運動時の下顔面皮膚上15測定点に加え、下顎中切歯に付着した測定点の合計16測定点の3次元計測を行い、時間的安定性を評価した。被験者は正常天然歯列者15名とし、十分軟化したガムを咀嚼中の5秒間、150フレームを解析の対象とした。この150フレームから120の連続する30フレームを取り出し、主成分分析を行い、第1主成分、第2主成分および第3主成分の寄与率、サイクルタイムの変動を調べた。寄与率の変動は、第1主成分において4.47%、第2主成分では9.74%となった。またサイクルタイムの変動は、第1主成分において6.02%、また第2主成分では7.38%であり、これらの結果から主成分の時間的安定性が明らかとなった。健常有歯顎者の第1主成分が時間的に安定であることは、これまでの咀嚼運動に関する研究からも明らかであった。しかし、皮膚の運動を表現している第2主成分の時間的安定性はこれまでの研究では明らかになっておらず、本研究の結果からこのパラメーターの利用によって顎機能異常を評価しうることが明らかとなった。 今後、咀嚼時に生じる下顔面皮膚上の運動から咀嚼の巧緻性を指標として、機能分析の基準となる健常者の運動データベースを作成し、これらのデータの蓄積によって顎口腔機能異常の症状と運動異常の関連を検索し、診断の助けとすることを考えている。
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[Publications] Sakaguchi K, Kawasaki T et.al.: "Application of principal component analysis to the elucidation of perioral soft tissue movements during mastication"The Journal of Oral Rehabilitation. (In press).
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[Publications] Sakaguchi K, Kawasaki T et.al.: "Spaciostructural analyses of mandibular and perioral soft tissue movements during mastication"The Journal of Oral Rehabilitation. (In press).