2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470422
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
細井 紀雄 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70064368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 敏明 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90288118)
鶴本 明久 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90188649)
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Keywords | 高齢無歯顎患者 / 咀嚼機能 / QOL |
Research Abstract |
平成12年度は以下の研究を行った. 1.QOLの向上に関わると思われる,義歯に関する不満や症状,原因および社会要因まで含めた質問紙を作成し,全部床義歯装着者81名に対してアンケート調査を行い,要因間の比較を行った.質問項目の選定に当たっては,教室の全部床義歯患者の予後に関する研究や,一般的な補綴学的主訴を参考にした.その結果,機能,会話,審美,運動,社会性の計5要因66項目の質問数になった.また,義歯装着後,調整終了から半年以内の無歯顎患者については義歯調整回数や下顎骨の高さと要因間との比較も行い,さらに質問紙における尺度構成について統計学的検討を加えた.その結果,以下の結論を得た. (1)全部床義歯装着者の年齢とQOL要因間には負の相関が認められた.またQOL要因相互では全ての項目において有意に相関が認められた. (2)義歯装着半年群の下顎骨の高さとQOL要因の「機能」,「運動」の間に,相関が認められた. (3)因子分析を行った結果,質問紙における尺度構成は機能的因子,会話的因子,審美的因子,社会的因子の4尺度であった. 2.高齢全部床義歯装着者2名の旧義歯,新義歯に対して,筋電図,咬合力の測定とピーナッツを試験食品として咀嚼試験を行い,さらに今回作成したQOL質問紙票によるアンケート調査を行った.その結果,旧義歯から新義歯への移行によって咬合力と咀嚼効率は向上し,患者の義歯に対するQOLは高くなることが認められた.今後,症例数を増やしさらに検討していく予定である.
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