2000 Fiscal Year Annual Research Report
A170遺伝子ノックアウトマウスをもちいた口腔癌に対するストレス防御系の解析
Project/Area Number |
11470429
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 浩 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (40292560)
鬼澤 浩司郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60194578)
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20111370)
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
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Keywords | A170 / zeta interacting protein (ZIP) / gene targetting / oxidative stress / stress response |
Research Abstract |
本実験はA170遺伝子ノックアウトマウスの製作をおこない、口腔組織の疾患発症時の応答の解析を行うことによって、口腔癌の宿主側の防御メカニズムの一つを解明するものである。 前年度までにノックアウトマウスの構築としては、BAC/129Svマウスゲノムライブラリー中より、マウス遺伝子A170のDNAをスクリーニングし、遺伝子構造の解析したが、今年度はそれらをもとにA170nullのターゲッティングベクターを設計し製作した。さらに、それらのターゲッティングベクターをエレクトロポレーション法によってES細胞に導入した。それらのクローン中からポジティブクローンを選別するため、インサート部分の5′側と3′側のプローブを用いてサザンブロッティングでスクリーニングを行った。 一方、ノックアウトマウスが完成するまでの間に、個体ののストレス応答実験も前年度に引き続きおこなった。これらの実験で、酸化ストレス刺激としてカイニン酸を利用してラット小脳におけるA170の発現の変化とヘムオキシゲナーゼの関係を検討しストレス誘導の効果を見るための基礎的実験とした。さらに、酸化ストレスが口腔腫瘍と関連することを確認するため、A170と同様に誘導される酸化ストレスタンパク質PrxIのヒト腫瘍組織内における発現を見たところ、リンパ節転移や組織の分化度などの臨床病態とも関連することもわかった。さらに、Prx-Iと結合するタンパク質であるc-ablの腫瘍の臨床病態との関連も示された。以上の知見をもとに、次年度のノックアウトマウス完成後の病態解析の基礎とする。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Toru Yanagawa: "c-Ab1 expression in oral squamous cell carcinomas"Oral oncology. 36(1). 89-94 (2000)
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[Publications] Tetsuro Ishii: "Induction of murine intestinal and hepatic peroxiredoxin MSP23 by dietary butylated hydroxyanisol"Carcinogenesis. 21(5). 1013-1016 (2000)
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[Publications] Toru Yanagawa: "Peroxinredoxin I expression in oral cancer : a potential new tumor marker"Cancer Letters. 156. 27-35 (2000)
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[Publications] Kazuhiro Nakaso: "oxidative stress-related proteins A170 and heme oxygenaze-1 are differentially induced in the rat cerebellum under kainate-mediated excitotoxicity"Neuroscience Letters. 282. 57-60 (2000)