新たな口蓋形成手術法の開発のために必要な口蓋帆挙筋の神経支配と筋線維構成の解析

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11470444
• Research Institution: Matsumoto Dental University
• Principal Investigator: 奥田 大造 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30247530)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中山 洋子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30308647) ; 安田 浩一 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30230220) ; 古澤 清文 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90165481) ; 森 亮太 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (50298410)
• Keywords: 口蓋帆挙筋 / 筋紡錘 / 一次求心繊維 / 運動神経細胞 / 呼吸 / 延髄 / 脳幹 / HRP

Research Abstract

本研究は、生理学的および解剖学的な事実に立脚した口蓋形成手術の改良あるいは開発を行うために、ラットを用いて口蓋帆挙筋の機能特性を明確にすることを目的としている。今年度は口蓋帆挙筋筋紡錘求心線維の口蓋帆挙筋運動ニューロンへの入力様式について電子顕微鏡により観察するとともに、口蓋帆挙筋運動ニューロンの機能特性について電気生理学的な検討を加えた。
実験には10週齢のWistar系ラットを用いた。塩酸ケタミン0.1〜0.2mg/gの腹腔内麻酔下でラットの口蓋帆挙筋と同筋を支配する口蓋帆挙筋枝を剖出し、10%horseradish peroxidase-wheat germ agglutinin(HRP-WGA)を注入した。ラットを48時間生存させた後に灌流固定を行い、脳幹を摘出した。マイクロスライサーで厚さ80μmの連続切片を作製し、tetramethylbenzidine(TMB)反応にてHRPを可視化した。光学顕微鏡により、HRP標識細胞の分布部位を確認し、疑核内にHRP標識細胞を含む標本を1%オスミウム酸で固定後、エポン樹脂で包埋した。ウルトラミクロトームで超薄連続切片(40nm)を作製し、酢酸ウラニルとクエン酸鉛による2重染色を行い、電子顕微鏡にて観察した。その結果、HRPに標識された口蓋帆挙筋運動ニューロンとHRPに標識された一次求心線維軸索終末とのシナプス接合が認められた。
電気生理学的には口蓋帆挙筋運動ニューロンからの吸気に同期した神経放電が観察された。

Research Products

• [Publications] Yasuda,K.,Furusawa,K., et al: "Synaptic connections of mylohyoid primary afferent terminals made on jaw-opening muscle motoneurons in the rat."Matsumoto Shigaku. 26. 31-35 (2000)