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2001 Fiscal Year Annual Research Report

家族性低リン血症性クル病における象牙質形成不全の発生メカニズムに関する研究

Research Project

Project/Area Number 11470450
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

大嶋 隆  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80116003)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 新谷 誠康  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90273698)
KeywordsHypマウス / Phex / オステオカルシン / 血中リン濃度 / 象牙質形成不全 / 低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病
Research Abstract

本研究では、X染色体性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の疾患モデルマウスであるHypマウスに認められる象牙質形成不全に,象牙芽細胞の異常といった局所的要因が関与するのかを検討した.まず初めに,血中リン濃度の低下がHypマウスの象牙質形成不全を引き起こす主な要因であるかを調べる目的で,ヘテロ型Hypマウスの雌より生まれた,遺伝子的に正常なマウスの雄(正常マウス群)及びHypマウスの雄(Hypマウス群)の歯の形態を野生型マウス群と比較した.その結果,生後3日齢の正常マウス群では,血中リン濃度は野生型マウス群と比較して有意に低かったにも関わらず,Hypマウスの象牙質形成不全の特徴の一つである象牙前質の拡大が認められなかった.一方,Hypマウス群では,血中リン濃度は野生型マウスと比較して有意に低く,また象牙前質の幅は野生型マウスより有意に大きかった.以上の結果は,Hypマウスの象牙質形成不全は血中リン濃度の低下のみに起因しないことを示唆している.
次に,Hypマウスの象牙質形成不全を引き起こす局所因子の一つとしてオステオカルシンに注目し,歯での発現や分布を調べたまず,Hypマウス群と野生型マウス群の臼歯でのオステオカルシンmRNAの発現量およびオステオカルシンタンパク質の合成量を比較した.その結果Hypマウス群の歯は野生型マウス群よりオステオカルシンmRNAの発現量が有意に少なかった.次に,免疫組織学的手法を用いて,Hypマウス群と野生型マウス群の歯におけるオステオカルシンの分布を比較した.その結果,Hypマウス群,野生型マウス群ともにオステオカルシンの局在には違いは認められなかった.しかし,Hypマウス群の象牙質や象牙芽細胞におけるオステオカルシン陽性反応は野生型マウス群より弱かった.以上の結果は,Hypマウスの象牙質形成不全にはオステオカルシンの発現量の減少が関与している可能性を示唆している.
今回の結果は,Hypマウスの象牙質形成不全は,腎でのリンの取り込みの低下に起因する血中リン濃度の低下といった,全身的要因のみによって引き起こされるのではなく,象牙芽細胞におけるオステオカルシンの発現量の減少などの局所的な因子も関与している可能性を示唆している.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 小川智弘など: "X-linked hypophosphatemicマウス切歯におけるオステオカルシンの分布"小児歯科学雑誌. 39. 839-845 (2001)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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