2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミュータンスレンサ球菌誘発う蝕におけるサングイスレンサ球菌の制御的役割
Project/Area Number |
11470451
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 鎮雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60029973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 卓 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00228975)
大嶋 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80116003)
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Keywords | S.oralis / グルコシルトランスフェラーゼ / S.mutans |
Research Abstract |
Streptococcus oralisは,口腔常在細菌叢を構成するサングイスレンサ球菌の一菌種で,出産直後の乳児口腔からも検出される.このS.oralisは,スクロースからグルカンを合成する酵素グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)を産生し,その働きによりデンタルプラークの形成に関与すると考えられている.本年度は,昨年度に精製したS.oralisのGTaseの遺伝子をクローニングしその分子生物学的解析を行った. 精製したS.oralis ATCC10557株GTaseのN末端アミノ酸シークエンスを決定した.この配列をもとにS.oralis GTaseをコードする遺伝子を含む8.1kbのDNA断片をクローニングした.DNA塩基配列を決定した結果,このDNA断片にはS.oralis GTaseの制御遺伝子であるrgg遺伝子(861bp)とS.oralis GTaseをコードするgtfR遺伝子(4728bp)が含まれていることが明らかになった.gtfR遺伝子の推定アミノ酸配列上のN末端側にはS.oralis GTaseに特異的な配列が存在することが,他の口腔レンサ球菌由来のGTaseとの多重整列によって明らかになった.また抗生物質耐性遺伝子の挿入により作製されたS.oralis rgg,gtfR遺伝子欠失変異株の性状解析から,rgg遺伝子はGTase産生の正の制御遺伝子であること,gtfR遺伝子はS.oralis GTaseを唯一コードする遺伝子であることが確証された.
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[Publications] Fujiwara T.,Hoshino,T.,Ooshima T.,Sobue S.and Hamad S.: "Purification, characterization, and molecular analysis of the gene encoding glucosyltransferase from Streptococcus oralis"Infection and Immunity . Vol.63,No.5. 2475-2483 (2000)