2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470454
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小椋 正 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00059362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 浩樹 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (10274854)
吉原 俊博 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60261319)
森主 宜延 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60128460)
今中 啓之 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (80223329)
長谷川 大子 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00295271)
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Keywords | 若年者 / 顎関節症 / 疫学 / 顎関節症症状 / STAI / 思春期 / 三次元有限要素モデル / 顎関節部負荷 |
Research Abstract |
平成12年度の疫学調査は、亜寒帯の北海道東部の小都市(紋別市と北見市)で実施し、平成13年度は亜熱帯の沖縄県の小都市(宮古島の平良市)の12才〜18才までの小児の顎関節症の発症頻度の調査を行った。対象は、中学生と高校生6093名で、その内訳は北海道(男子:1699、女子:1486)と沖縄(男子:1430、女子:1478)であった。その結果、北海道の発祥頻度(高校生:11.4%、中学生:7.0%)と沖縄県(高校生:12.2%、中学生:5.4%)と殆ど同程度で地域差はないと考えられた。また、北海道と宮古島の調査の時に顎関節症症状と心理的要因との関連性を評価するためC.D.SpielbergerのSTAIによる不安の評価を併せて実施した。徴候の診査によって顎関節症症状ありと診断された生徒481人を対象とした。比較対照群として、顎関節症症状がなく、臨床的咬合状態も正常な生徒54名も対象として、STAIを実施した。その結果、STAIと顎関節症症状との関係では、特性不安(性格特性としての不安)・状態不安(測定時点での不安の強さ)ともに、疼痛群のほうが雑音時に比べ有意に高い値を示した。顎関節症症状の自覚の有無とSTAIとの関係では、女子で自覚症状有り群が、特性不安・状態不安ともに有意に高値を示した。男子では有意差はないもののその傾向が認められた。 さらに、我々は標準的な顎顔面形態や顎関節形態の特徴を持った3次元有限要素モデルを構築した。このモデルの目的は咬合支持域の変化や顎顔面もしくは下顎頭の形態的相違により顎関節部負荷にどのような影響を及ぼすのかを検討することである。このモデルから得られた結果は、生体から得られた計測値と同様な傾向が認められ、妥当性が示されたので、咬合支持域や下顎頭長軸角が変化した時の顎関節部負荷の影響を調査した。その結果は、咬合支持域や下顎頭長軸角の変化は顎関節部負荷にきわめて大きな影響を及ぼす事が分かった。
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[Publications] 重田浩樹ほか: "3次元有限要素モデルを用いた顎関節部負荷の解析に関する研究"日本顎関節学会雑誌. 13巻3号. 356-363 (2001)
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[Publications] 重田浩樹ほか: "咬合支持域や下顎頭長軸角の変化が顎関節部負荷に及ぼす影響に関する力学的研究"日本小児歯科学会雑誌. 39巻5号. 1048-1058 (2001)
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[Publications] 石谷徳人, 重田浩樹, 長谷川大子ほか: "思春期顎関節症患者に対して咬合治療を行った1例"日本小児歯科学会雑誌. 40巻1号. (2002)