2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470462
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
横田 誠 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40107298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 順一 明海大学, 歯学部, 講師 (60227105)
吉成 伸夫 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20231699)
加藤 煕 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
木戸 淳一 徳島大学, 歯学部, 講師 (10195315)
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Keywords | 歯周病 / ストレス / リスクファクター / 疫学 |
Research Abstract |
ストレスの歯周病の臨床的な側面に与える影響を調べるために、横田は、心理学的に測定したストレス尺度と歯周疾患の状態やウ蝕の発生状況との関係の分析を行った。この結果、心理的な尺度と歯周病の病態の間には直接の相関関係はみられず、不安傾向の強いものが喫煙習慣を有する傾向が認められた。多変量解析モデルを用いて分析すると、心理因子→喫煙→歯周炎の増悪というシナリオも想定できた。加藤らは、多数の糖尿病患者について、糖尿病の罹患状態と歯周病の状態、ストレスの状態を調査し、その関係について多変量解析を用いて分析を行っている。現在まで200名以上の糖尿病患者の内科的データや生活環境などのアンケート結果、歯周病に関する検査データを収集し、回帰モデルの作成を試みている。吉成が拘束ストレスを与えた歯周炎誘発ラットモデルを用いて、実験群ではコントロールと比して低体重、血糖値の上昇、ACTH・カテコールアミンの上昇などの所見と、根分岐部の骨吸収の進行を観察している。 また、基礎的な側面からの研究として、辰已はストレスによって血清中のglucocorticoidの上昇とNK細胞活性の低下が認められることに着目し、マウス骨髄細胞からの破骨細胞形成系を用い,Dexamethasoneの刺激により出現したTRAP陽性多核細胞を測定した。その結果、Dexamethasoneが直接破骨細胞形成を促進し,歯槽骨吸収機構に関与する可能性が示唆され,精神的ストレスが歯周疾患の進行に影響を及ぼすことが示唆された。木戸は、ストレスによる免疫系の調節機構に関連する因子として知られているsubstance Pの、骨芽細胞培養系でのP.gingivalis由来LPS存在下での炎症性サイトカイン発現への影響を調べ、substance Pがサイトカイン発現を増強し、骨芽細胞の分化抑制に働くことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)